パリ女性の美意識は「闘争の歴史」が育んだ わずか半世紀前まで本当の「自由」はなかった
日本では艶やかに巴里祭とも呼ばれる「カトーズジュリエ」は革命記念日の祝日。カトーズジュリエは「7月14日」を意味するフランス語です。1789年のパリの民衆によるバスティーユ蜂起から227年が経ちました。
その7月14日の夜、南仏ニースでまたしてもテロの悲劇です。罪なき一般市民にもたらされた理不尽な死は、あまりに惨酷と言うほかありません。フランス国民は3日間の喪に服し、非常事態宣言はさらに6カ月延長されました。
フランス人と日本人の間にある、感性のズレ
昨秋11月13日金曜日、パリに戦後最大のテロの嵐が吹き荒れました。数キロメートルの距離をおいたシャンゼリゼで、ノエルのマルシェをウロウロしていたわたくしは――騒然とした雰囲気の中を――帰宅して事態を知り戦(おのの)いてしまいました。
モードに美食の都、美の殿堂のパリ。おしゃれで恋愛至上主義のパリジャンにパリジェンヌ。パリがセンシュアルな人々による美と愛のフィールドであることは間違いありませんが、センシュアルを受ける感性、なにを美しいとするかの感覚は、世界中どこでも同じものではありません。
感性にはいろんなセンサーがあり、フランス人もまた多彩な面貌(かお)を持っています。わたくしたち日本人がもつ美意識と、フランス人のもつそれとは、いくらかのズレがあり、そのことに気づいて驚かされることもあるのです。
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