スズキ「ワゴンR」はなぜここまで凋落したか かつての絶対王者も抗えない市場の変化
スズキ「ワゴンR」。1990年代半ばに登場し、軽自動車市場で圧倒的な強さを誇ってきた“ドル箱”が、かつての輝きを失っている。
たしかに軽自動車全体の販売台数は落ちている。三菱自動車工業の燃費データ不正事件が発覚したためもあり、かつては新車の4割に達していた市場占有率は、いまや3割にすぎない。全国軽自動車協会連合会が発表した、今年6月の車種別販売台数で見ても、ベスト10に入った車種で前年同月比アップを果たしたのは3位のホンダ「N-WGN」と9位のスズキ「スペーシア」のみ。他車は軒並み減少した。
現在の軽自動車の人気は「スーパーハイトワゴン」
このランキングを見ると、数年前との顔ぶれの違いも発見する。つい数年前まではワゴンRがトップ争いの常連だった。ところが、現在トップ争いを繰り広げているのは、同じホンダの「N-BOX」とダイハツ「タント」。基本モデルで全高1.7~1.8メートルという「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプの軽乗用車だ。
4位と5位には逆に背の低いハッチバックのスズキ「アルト」とダイハツ「ミラ」が入っている。ワゴンRはその下の6位で、すぐ下に同じくスズキ「ハスラー」が迫る。そして8位はワゴンRの宿命のライバル、ダイハツ「ムーヴ」が位置している。スペーシアの下、10位にはダイハツ「キャスト」がランクインしている。
ちなみに今年1〜6月の累計で見ると、2トップは変わらず、3位がアルト、4位に日産「デイズ」が入り、以下N-WGN、ハスラー、ワゴンR、スペーシア、ムーヴ、ミラとなる。
つまり現在の軽自動車の一番人気はスライドドアを持つスーパーハイトワゴンで、続いてハッチバックのアルトが続き、ワゴンRとムーヴが競り合っていたワゴンクラスはN-WGNがトップに立っている。ワゴンRはなぜここまで凋落してしまったのか。
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