熊本の球児招き、福島で「もう一つの甲子園」

王貞治さんも「被災地」の野球少年に熱い応援

「夏の甲子園」が、いよいよ始まる。その同じころ、「もうひとつの甲子園」が福島で開催される

今年も「高校球児の夏」がクライマックスを迎えようとしている。沖縄県の嘉手納高校を皮切りに、各地で優勝校が続々と「甲子園」へ名乗りをあげている。

「被災地の野球少年に元気を」、今年で6年目の「甲子園」

だがこの時期、実は「もうひとつの甲子園」が東北の被災地・福島で開かれる。それが「絆甲子園」だ「(8月6~7日、福島市の県営あづま球場など5球場で開催)。

参加するのは高校球児ではなく、中学生の硬式リトルニシアチーム。東日本大震災が起きた2011年の8月に、「被災地の野球少年たちを励ましたい」との目的で始まり、今年が6回目になる。

当初は福島・宮城・東京・千葉の9チームで始まったが、今回は熊本大震災で被災した熊本県・益城(ましき)町の中学生チームも招き、12チームで開催する。2試合ずつの親善試合などを行う予定だ(福島・宮城・新潟・東京・千葉・熊本の各都県から参加)。

「被災した野球少年たちを励ましたい」との思いで始まった「絆甲子園」は今年が6回目。今年は熊本大震災で被災した熊本県・益城(ましき)町の中学生チームも招き、12チームで開催する

絆甲子園のきっかけは、大手集合住宅会社で役員をしている佐野章さんが東日本大震災直後、ある雑誌の記事を読んだことだった。「東日本大震災でバラバラになった福島の中学校野球部員が、1日だけ東京に集まって親善試合を行った。もう一つの目的は部の解散式を行うこと。そして彼らは、進学して甲子園で再会することを互いに誓い、別れた」。

当時、息子が東京の名門・青山リトルシニアチームで活躍していた佐野さんは読んでしばらく涙が止まらなかった。その後、一つのアイディアが浮かんだ。「地元の春大会も中止になってしまったようだし、被災地は野球どころではないかもしれない。だが毎日一生懸命に練習してきた東北のリトルシニアリーグの子供たちに、これまでの努力の成果を発揮する場所をつくってあげられないか」。

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