高校野球の存続脅かす「審判」という時限爆弾 必要人数のべ1.6万人!なり手は年々減少
高校野球を陰で支える重要な役割が「審判」だ。地方大会だけでも延べ1万6000人が審判として国民的行事を支えているが、実態はあまり知られていない。
審判は普段何をしている人なのだろうか。暑いグラウンドで長時間立ちっ放しだが、報酬はどれくらいだろうか。高校野球で「審判の判定に監督が猛抗議」という場面は見られないのはなぜなのか。知られざる陰の主役に忍び寄る「時限爆弾」の実態に、『高校野球の経済学』を上梓した中島隆信教授が迫った。
高校野球で選手たちを支える“陰の主役”
梅雨明けも間近となり、日本各地の野球場に球音と歓声が響く季節となった。沖縄では全国に先駆けて6月18日に選手権大会が幕を開けた。全国4000校の頂点を目指す高校球児らによる戦いの始まりである。
『日本学生野球憲章』に「学生野球は教育の一環」と明記されているように、高校野球の主役が高校生であることは間違いない。実際、監督やコーチに背番号はなく、マウンドに行って選手たちを励ますのも審判に判定の確認をするのも選手に限られる。
高校生たちがユニフォームを真っ黒にしながら「高校生らしさ」あふれる全力プレーをする姿に、胸を熱くしたことのある方も多いだろう。しかし、そんな高校野球にも選手たちを支える“陰の主役”がいる。それは審判という存在である。
野球ほど審判のかかわりが大きいスポーツもないだろう。とりわけ球審は、ストライク/ボールの判定だけでも1試合に200回ほど行う。サッカーでいえば、パス1本ずつにその是非をめぐって審判が関与するようなものだ。
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