生まれてきた子を前にこのように申し上げるのは、その赤ん坊に失礼ですのでこのくらいにします。ただ、あなたの今の一番の関心と相談内容が、彼との音信不通であることに、私は非常に怒っています。
「八つ当たりメールくらいでどうして彼は離れて行ったのか」と悩んでいるようですが、あなたの八つ当たりメールで、彼が離れて行ったのではありません。彼は、ずっと以前から、あなたから離れるタイミングを探していたのです。
いや探す能力さえないその人は、棚ボタでそのチャンスを利用したのです。あなたの八つ当たりメールは、彼にとってまさに渡りに舟だったのです。メールを送らなかったとしてもいずれ早々に、そうなるしかなかった関係でした。
あなたが本当に悩み、考えねばならない問題は、子どもの出生の秘密に関する問題です。彼の音信不通ではありません。そのような形で追う値打ちもない人です。その後の話の展開によっては認知の問題がありますから、公的に彼と連絡を取る必要が出てくるかもしれませんが。
秘密を墓場まで持って行った人もいる
冒頭で触た一つの選択枝、秘密を墓場まで持って行った人の話を少し紹介させて頂きます。
私の友人で学校教員をしている楽子さんは、婚約者がいるのに、その地の名士と言われた大病院の次代医院長の子どもを妊娠しました。
生まれた子どもに関してですが、仕事熱心で妻を疑うことを知らない優しい夫をだまし、その長女として育てました。下に3人の女の子が生まれましたが、長女は顔立ちや性格も成績も、下の3人とは全然違います。しかしこれもよくある話ですから、夫君からは疑われたことがありませんでした。
長女が30代の始めに、3女が骨髄移植の必要に迫られました。楽子さんはその適合の検査を、世界中の人にお願いしたい勢いで必死でしたが、最初から最後まで、長女には「子どももいるんだからダメ」と、検査さえ受けさせませんでした。
そのうち夫が鬼籍に入り彼女も続き、楽子さんは墓場までその秘密を持って行けたのです。
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