「転勤する夫に帯同すべき」とは断言できない 将来、相手を責めない覚悟はありますか?

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好きな仕事は、今の会社でなければできないとは限らない。新しい環境で、新しい素敵な友人と巡り合うかもしれない。妊活に向けて生活や体を整えるいい機会になるかもしれない。一方、単身赴任の場合には、夫とはずっと一緒にいなくても、さらに親友的な関係になれば、恋愛時代のように素行の心配をしなくていいかもしれません。どんなことだって、考え方次第で、「アリ」になるんだと思うのです。

自分で決めたことなら、前を向くことができる

あなたも、あなたの選択の後にどんな未来が待っていても、「あなたのために、あの時、あの判断をしたのよ!」などと思わないで済むように判断することをお勧めします。どんなことがあっても「まぁ自分で決めたことだけど」と思えたら、また自分で前を向くことができるはずだ、と私は思います。

判断するタイミングで、「きっと将来、後悔することになる」という予感がするけれど、「でも今は、こうしたくてウズウズする!」「逃げるようだけど、どうしてもこの場を去りたい!」ということだってあるでしょう。それも自分自身で決めた、となれば、しっかり受けとめられると思うのです。

ご主人の内示はまだ出ていないけれど、「きた!」と覚悟する気持ちや、「どうしよう」と迷う気持ち、揺れる気持ち、すごくよくわかります。愛する家族のチャンスだからこそ、自己犠牲の精神も働いてしまうし、「妻は夫についていくべき」というような既成の概念だって頭をもたげてくるでしょう。ご主人の希望に応えたい、とも思うでしょう。

だけど、やっぱり、あなたが自分の人生を自分で取捨選択して生きているから、あなたは輝いているのです。そんなあなたのことを尊重していれば、ご主人は迷いも含めて受け止めてくれると思います。たくさん話し合って、悩んで、ご自分で決めてください。どうか「涙をのんで」決めることだけはしないでくださいね。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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