あく抜けした「トルコ」は経済回復に向かう 絶妙なバランス国家で起きたクーデター未遂

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クーデター未遂で3カ月の非常事態宣言を発令したエルドアン大統領(写真:Abaca/アフロ)

15日未明に起こったトルコのクーデター未遂による死者は市民や警察官が161人、反政府軍兵士が104人、負傷者は1400人以上と発表されている。反乱軍の投降者と将校は2839人が逮捕されたと報道された。

私はトルコが大好きで、事件は多発しているが四半期に1回のペースで訪問してきた。2015年10月にイスタンブールに行った時は、イスタンブールの郊外でやはり自爆テロが発生したと聞いた。12月訪問時にはアンカラのクルド系グループのデモ隊に過激集団ISによる自爆テロが起こった。近くのレアメタル工場を訪問する予定で、アンカラ方面行きの列車が午前10時に停止したので不審に思っていたら、同行の工場長からそう聞かされたのである。さらに今年5月中旬、トルコのイスタンブールからイズミールに出張したときに利便性を考えてアタチュルク国際空港にあるホテルに投宿したのだが、6月にはこの空港で自爆テロが起きた。

テロ多発ではばかられたが、7月9~13日までトルコ出張を決行し、タシクム広場などを見学して報道ほど危険ではないと感じていた矢先のこと。帰国した翌日の15日の夜に今回のクーデター騒ぎが起こったのだ。

国民は街頭に出よ!と命じた大統領

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BBCニュースではボスポラス海峡の橋を封鎖している戦車の映像が流れ、「軍が国営放送を占拠した」「アタテュルク国際空港も占拠された」とのニュースが流れた。エルドアン大統領は事件発生時にはイズミール方面(マルマリス)に静養に行っていたようだが、スマホから直接「クーデターに対抗して国民は街頭に出よ」との大統領の映像がテレビ放送に映った。テレビ画面にエルドアン大統領のスマホから特別声明を出すのは前代未聞である。

SNSを規制しようとしてきた大統領が最後にSNSに頼ったことが一層の切迫感を演出したように思った。その後、4時間ほどたった映像を注視していると、トルコ軍の兵士が治安部隊員に拘束されて連行される映像が映った。アンカラではまだ交戦状態だったようだが、イスタンブールではクーデターの試みは失敗したとのニュースが流れたようだった。その直後に状況を確認するために現地のトルコ人青年とLINEで連絡しあったが「クーデターは失敗に終わりました。もうイスタンブールは安全です」との最新確認ができた。

2日前までイスタンブールに滞在していたので現場の空気と雰囲気は理解していたが、マスコミの大騒ぎと刻一刻と変化する衝撃的な映像を見ていると「もう、エルドアン政権は転覆するだろう」と思い込んでしまった。ところが、予想は見事に外れた。トルコ時間の15日午後22時前後から、わずか4時間でトルコの危機は終結したのである。

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