日本発の大人戦略 ディズニーストアが復活 世界に一つしかない、若い女性向けの店
「クイックウィン」再生が軌道に乗る
ストアの集客力は年間延べ4000万人に及ぶ。テーマパークを上回る、ディズニーにとってゲスト(利用者)との最大のタッチポイントだ。しかし、日本のディズニーストアがYAFにターゲットを絞るまでには、紆余曲折があった。
2002年、ストア部門は東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドに売却される。ストア部門を外部に委託する、当時の世界戦略に沿った売却だった。
だが、消費不況や専門店の台頭で、00年代後半、ストアの売り上げはピーク比半減まで落ち込む。06年秋には、ユニクロ出身の澤田貴司氏や玉塚元一氏(現・ローソン副社長)が設立した再生支援会社と提携するが、立て直しに至らなかった。
体制が大きく変わったのは10年春。ディズニー・ジャパンがストア部門を買い戻したのだ。部門のヘッドには、高級紳士服「エルメネジルド・ゼニア」の日本法人社長だった安藤氏をヘッドハントした。
「ファミリー向けが中心で、顧客ターゲットが違っていた」。安藤氏は当時を振り返る。買い戻し後、ディズニーはまず顧客ターゲットをYAFに絞り込む。そしてYAFが買いやすい商品を作っていった。
「年間100万個売れる商品を作れ」。安藤氏は社内に大号令をかける。当時のストアは1000円以上の商品ばかり。その中で低価格品を増やした。代表例が、キラキラに飾られた1個600円のミントケース。11年1月には日本で開発したクマのぬいぐるみ「ユニベアシティ」の販売を開始した。新商品の効果で、徐々に客数から回復していった。
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