日本発の大人戦略 ディズニーストアが復活 世界に一つしかない、若い女性向けの店

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安藤氏はこうした戦術を「クイックウィン」と表現する。「企業はV字には回復しない。実際は少し上がってはまた落ちる。それを繰り返して上昇気流に乗る」(同)。再生の第1ステージでは、クイックウィンを作り、従業員の自信を取り戻すことが大切だ。

クイックウィンを作りながら、商品を抜本的に見直した。調達先を変え、アパレルや食品を中心に商品数を2~3割削減。その一方で、新たに四つの商品群を柱に据えた。バッグ、ぬいぐるみ、スマートフォン用カバー、アクセサリー。これら4本柱は、ディズニーの得意分野であり、利用者の日常生活に密着しているという共通点がある。現在ではストアで販売される85%が日本の独自商品だ。「とにかく商品と顧客ターゲット。これら二つが明確なら、消費者に支持される」(安藤氏)。

売るべき商品ができて店舗開発が動き出す。YAF向け店に先立ち、11年末出店を始めた新コンセプトストア(右写真)は、ビジュアル技術を駆使した世界共通フォーマット。ここでもターゲットは大人女性だ。一連の取り組みを経て、ストア部門の営業利益率は5%超に回復した。

YAF向け店は計画比4割増と絶好調。2号店の発表も近々ありそうだ。ポール・キャンドランド社長は「欧州など他地域でも、YAF向け商品の導入を真剣に検討している」と語る。日本発の大人ディズニーが、世界に広がり始めている。

関連記事:なぜ日本の女性はディズニーが好きなのか

(撮影:梅谷秀司) (週刊東洋経済2013年2月9日号)

並木 厚憲 東洋経済 記者

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なみき あつのり / Atsunori Namiki

これまでに小売り・サービス、自動車、銀行などの業界を担当。テーマとして地方問題やインフラ老朽化問題に関心がある。『週刊東洋経済』編集部を経て、2016年10月よりニュース編集部編集長。

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