まず最初にお見せする資料は、いわゆる「ギフト商品」がいかに売り上げ貢献に寄与するかをオーナーに伝えるものだ。
コンビニは100円単位の商品が多く、平均客単価は500〜600円程度だ。資料の中では、ギフト商品の平均単価が「3,288円」と比較的高い数字であることが示されている。また、消費期限が短いものと異なり、ギフト商品は廃棄のリスクがないことも指摘。「ローリスク・ハイリターンの商材!」と強調されている通り、オーナーの利益にとっても非常においしい商品なのである。
では、どのように売り上げを立てるべきとされているのか。資料では、「主体者と従業員さん、全員で売り上げを作れるしくみ作りを」とされている。オーナーがいくら売りたいと思ってみても、コンビニは積極的にお客に商品を売り込むという形態ではなく、受け身で販売することが原則。1人で売り上げを大きく積み上げることは不可能だ。
ムード作りと根気で盛り上げる
そこで、アルバイトやパートを巻き込んで「協力」してもらう必要があることが強調されている。ページの最後には、「従業員さんにイベント性を持たせて、楽しく参加してもらう環境を作る事がポイントです!!」と書かれており、あくまで従業員が自主的に行うのをアシストすることを勧めている。では、具体的にはどうするのか。
お中元用に作られたと思われる別の資料には、考えられる方法として「チーム対抗戦にする」、「景品を付ける」といった施策が提案されている。ゲーム性を出したり、インセンティブをつけることでアルバイトを動かそうということだ。そして、「オーナーさんのお仕事は常に従業員さんを盛り上げていく事に全精力を注ぎましょう。日々、お中元について何らかの話を一人一人の従業員さんと実施していきましょう」とされ、最後は「オーナーさんに必要なのは、何よりムード作りと根気!」という言葉で締めくくられていた。
これらの資料だけを見ると、従業員の協力を得て目標に向かって頑張る「ホワイト」な職場という印象で、大きな問題はないように感じられるかもしれない。実際、オーナーの方針によっては、こうした雰囲気のよい店舗も存在するようだ。しかし、次の資料を見ると、本部側の本音が徐々に透けて見えてくる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら