女子がなぜか集まってくる「西荻窪」の引力 秘密は体育会系気質ゼロのユルさ
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福田氏が開いている西荻ニクラス不動産の「ニクラスツアー」と名付けられた街歩きも、1回2~3時間で1500円とほぼ利益は出ない。それでも、「西荻窪を好きな人がもっと増えてくれれば、それがうれしい。最近は千葉勤務で東京を横断しなくてはならないにも関わらず、どうしても西荻に住みたいという人もいて、手応えを感じますよ」(福田氏)。
「地元を盛り上げたい」「面白いことが好き」「採算は気にしない」――。この3つの要素を備えたイベントにはこのほかにもたくさんある(下表)。いずれも、個人や個店が始めて、街全体に広がったものだ。日本には同じ町内にありながらいがみ合う商店街が多いにもかかわらず、西荻窪は23ある商店街が連携するイベントが多いのもこの街らしい。
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「okatteにしおぎ」とは何か
こうしたイベントが生まれ、育つ背景には、西荻窪独特の「横にフラットにつながる」人間関係がある。隣に吉祥寺という吸引力の強い街があるため、小規模店中心の西荻窪が生き残るには、個店と顧客、個店と個店、商店街と自治体など横の連携が欠かせない。こうした連携が街を活性化するアイデアやイベントになり、それに惹かれて人や店が集まってくる、という循環ができているのである。
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こうした西荻窪的経営の最たる例が、2015年に誕生した会員制の「パブリックコモンスペースokatteにしおぎ」だ。「パブリックコモンスペース」という言葉はあまり聞き慣れないが、これは一言で言うと「まちとシェアする場」。家という私的空間を居住者以外も使えるようにすることで、人と街がつながることを目的としている。実際、日本家屋の1階は会員が自由に使えるようになっており、シェアハウスとなっている2階の入居者も会員だ。
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