女子がなぜか集まってくる「西荻窪」の引力 秘密は体育会系気質ゼロのユルさ

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「お勝手」の名のとおり、okatteにしおぎの最大の特徴は広いキッチン付きの土間だろう。ここでは、会員たちが自由に料理をしたり、食事を一緒にとったりできる(会費は月1000円~)。このほか、1階には畳と床の多目的スペースもあり、ヨガや映画の上映会に加え、個人が作ったベーグルなど飲食品の販売会が開かれることもある。

もともとは土地の所有者である竹之内祥子氏の自宅改装、相続などをにらんだ収益物件建設の計画として始まった。「銀行にはアパート建設を勧められました。でも、駅から10数分は賃貸住宅として不利だし、老朽化したら家賃は下がる。それよりも改修で済ませ、無理なく返済でき、面白そうなモノを作りたいと思うようになりました」(竹ノ内氏)。

60人いる会員が次々と発案

パブリックコモンという概念にも関心があったことから、阿佐ヶ谷にある不動産企画会社、N9.5に依頼した。当初はシェアハウス的な物件をお任せで作ってもらうつもりだったが、入居希望者とのワークショップを行ううちに、N9.5の代表取締役である齊藤志野歩氏から「これからどんな人生を送りたいですか?」など、物件建設とは関係ない質問をぶつけられるうちに、考え方が変わってきた。

オーナーの竹之内祥子氏(左)、「まち食」なる言葉の提唱し、テレビなどの出演も多い齊藤志野歩氏(右)

経営者である竹之内氏にとって、これまで仕事とは「おカネと作業を交換するもの」。発注する人はおカネを払うだけ、受注した人は作業をするだけで、双方が 一緒に作業をすることはない。しかし、街で何かをするにはそうした縦の関係ではなく、共に、対等に作業できることが必要だと気がついた。

実際の運営は企画担当の齋藤氏、大家である竹之内氏、そして入居者・利用者が対等な立場で行われている。イベントなどは会員が発案することが多く、そのアイデアに賛同する人がコラボレーションする形で進む。okatteにしおぎの会員は現在60人強。年齢や職業もバラバラで、多様なバックグラウンドや人脈を持っている人たちが集まっているだけに、突飛と思えるアイデアも面白い形で実現していく。

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