「無名中小」が新卒で優秀な人材を集める方法 視点や戦い方を変えれば大企業とも伍せる

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知名度の低い企業が優秀な学生を採るには?(写真:foly / PIXTA)

文部科学省と厚生労働省が共同で調査する「大学等卒業者の就職状況調査」によると、この春に卒業した大学生(学部)の4月1日時点の就職率(就職者数÷就職希望者数)は、前年比0.6ポイント増の97.3%。昨年に引き続き、1996年の調査開始以降の最高値を記録し、初めて97%を突破しました。空前ともいえる「売り手市場」が続いています。

これは就活生からすれば喜ばしいニュースですが、「無名中小企業」の採用は苦戦を強いられることを意味しています。「新卒採用なんて夢のまた夢で中途採用しか募集していない」「自社のHPや就活支援サイトを通じて宣伝をしているが一向に学生が集まらない」――。実際に、そんな悩みを抱える経営者や人事担当者は多いはずです。

では、無名中小企業には新卒採用は無理なのでしょうか? あきらめるべきなのか? 拙著『逆転の「新卒採用」戦略』でも触れているように、答えはノーです。

私は、従業員約40人のシステム開発会社の経営者です。会社創業者の引退を受け、2014年に代表取締役に就任しました。当時、当社は新卒採用を行ったことがなく、大卒社員もほとんどいない状況でした。しかし、会社を成長させるためには新卒が必須と一念発起し、採用活動の陣頭指揮をとりました。その結果、1 年目に6人、2年目に4人、3年目に7人と、3年間で計17人の新卒社員を採用することができました。

その中には、京都大学大学院生をはじめ、法政大学、立教大学、東京理科大学、日本女子大学といった名門校出身者も多数含まれています。その経験から断言できるのは、無名中小企業であっても、自社の強みを把握して計画的に採用戦略を実践すれば、コストや時間をかけることなく優秀な学生を採用できるということです。

無名中小企業が狙うべき「新卒のタイプ」を把握する

計画的に優秀な学生を採用するためには、まず自分たちが「どんな学生を狙うべきか」知っておくことが重要です。

とても残念なことですが、一点の非の打ちどころもないようなエリート学生は、何の変哲もない中小企業にわざわざ就職しませんが、世の中には、能力はあるけれども、中小企業に就職する学生はいくらでもいます。

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