二極化する中央ヨーロッパ諸国の銀行 スロベニアなど3カ国に大きな課題

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ハンガリー、スロベニア、ブルガリアとルーマニアのROEが08年から継続的に悪化している。10年に、4つのうち3つの国(ハンガリー、スロベニアとルーマニア)の銀行セクターのROEはマイナスとなった。中央ヨーロッパ諸国で営業するドーター(子会社)銀行同士が、同じ親銀行の資金獲得で競合することも、落ち込みの原因になった。

危機発生以前に外資系資金は中東欧地域で劇的に増加した。もし貸出需要が貸出供給を上回れば金利は上昇するうえ、外資が流入し、市場に均衡をもたらす。しかしながら、危機後資金の流れは方向を変え、外資はユーロ圏内に戻り始めた。

銀行の収益性は資金流れの基礎的な役割を演じる。近年、利益性指標が悪い国のほとんど(ハンガリー、スロベニアとブルガリア)は、外資の資本流出を経験した。スロベニアとハンガリーでは、去年のROEはマイナスであり、両国では深刻な外資の流出を経験している。またスロバキアは外資を追加的に集めた唯一の中東欧諸国である。

改善した自己資本比率

中東欧で各国の銀行セクターの自己資本比率は07年よりも11年の方が高いと言える。11年末にはブルガリアの銀行セクターは中東欧地域で最も高い自己資本比率(17.5%)を示している。しかし、ここでは銀行の最低所要自己資本比率も高く、通常の8%ではなく、12%となっている。

12.1%と最も低い自己資本比率を持つのが2年連続赤字となったスロベニアの銀行セクターである。ここでは国の銀行株保有比率が高く、近年は資本注入が必要となっていた。政府による資本補強はROEがマイナスにもかかわらず、自己資本比率関連指標の改善につながっている。

次ページ各国銀行の自己資本率は総じて改善へ
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