そして、日本では、ファイルを送るなら「宅ふぁいる便」という時代が確かにありました。今でも利用したことがある人の数では、トップクラスに入るサービスです。
当時、宅ふぁいる便が事実上の標準となったのは、無料で使えることと、ファイル受信だけであれば、会員登録不要だったからです。しかも、宅ふぁいる便は、元来は大阪ガス社員用のサービスとして使われていたものが、クチコミでうわさが広がって、その後、一般向けのサービスとして使われるようになったという経緯もあります。
ただ、ファイル転送サービスであるがゆえに、今も変わらない宅ふぁいる便の仕様があります。それは、ファイル預かりの保存期限が72時間、つまり3日程度だということです。3日もあれば、その間にファイルなんかダウンロードしておけるでしょうという設計であることはよくわかります。保存期限を設定しないと無駄なゴミファイルが増えることもよくわかります。
しかし、先週メールでもらったファイルをダウンロードするのを忘れていた。先月もらったファイルをなくしてしまったので、もう一度ダウンロードしたいということはけっこう頻繁に発生するものです。そのたびに再度宅ふぁいる便でファイルを送ってもらうというのは、面倒です。
添付ファイルで怖いのは「ウイルス」
JTBの顧客データ漏洩で表明化したメールの添付ファイル問題。これはどんどん一時期のスパムメールのような展開を見せています。
6月29日、毎日大量の物流をさばいているヤマト運輸からお知らせ“「お届け予定eメール」を装った不審メールにご注意ください”が出ました。
「不審メールにはZIP形式のファイルが添付されていますが、ヤマト運輸からお送りしているメールには添付ファイルはありません」
このヤマトからのお知らせでわかることは、ヤマト運輸から送られるメールには添付を完全に制限していることです。これは標的型メールに対するひとつの対策です。では、みなこの制限をかければいいという話になるかもしれません。しかし、やはりそんなことにはなりません。
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