困ったことに現在のメールの利便性を維持したままで、こういった標的型メールの添付ファイル問題を抜本的に解決する方法というのは、ありません。メールを使っている以上、程度にはいろいろとありますが、こういった問題にはつねにさらされているのです。
総務省も「国民のための情報セキュリティサイト」で、まさにこの「標的型攻撃への対策」について啓蒙しています。
しかしこの総務省の案内でも紹介されているのは、いわゆる対処療法です。
・あやしいメールのリンクをクリックしない
・最近のやりとりとは関係のない内容のメールは疑わしい
・フリーメールアドレスからのメールに注意する
言われてみれば、そりゃそうだよねという内容なのですが、これを担当個人が判断するというのは実質不可能です。このため、結局、各企業も教育や啓蒙活動などで対応しているのが現状なのです。JTB顧客情報流出問題でも、記者会見でわざわざ「メールを受け取って、添付ファイルを開いてしまったJTB子会社担当者をとがめない」と明言されたのもこれが理由です。
こういったセキュリティの問題がメールの添付にはあるということを認識したうえで、メールと添付ということについてあらためて考えてみましょう。すっかり前置きが長くなってしまいましたが、これが今回のお題です。
ファイルの添付はメールが持っている機能の中でも、今と昔で大きく変化しているものです。メールが使われ始めたころは、今のようなクラウドサービスもありませんし、サーバーなども容量や回線の問題が今ほど潤沢ではないので、気楽に使えるようなものではありませんでした。そんな中、メールに添付するだけで気軽にファイルを送れるというのは革新的なすごいことだったのです。
添付ファイルのサイズはどこまで許される?
メールがビジネスで誰でも日常的に使うようになったことで問題が表面化したというのはたくさんありますが、その中でも個人や所属している企業によって対応が実にバラバラなのが添付ファイルです。
スマホで写真を気軽に送り合う今となっては信じられないかもしれませんが、企業のメールでは添付ファイルの上限が2〜3メガバイト(MB)程度だった時代がけっこう長くありました。添付ファイルの容量はその後増え、たとえばGmailでは、1通当たりの容量制限が25MBまでに増えてきました。
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