ひとつには、メールでの添付ファイルの送信は、とにかく圧倒的に便利だということです。この便利さを失うのはメールというものを使っているかぎり、逃れられない領域のものです。添付できないなら、ほかの連絡方法を検討してもいいほどです。
もうひとつは便利の延長にあることですが、業務フローの中に添付が組み込まれてしまっている場合があるということです。
何度も名前を出してしまって申し訳ないですが、JTBがまさにそうでした。みなさんも覚えがあると思いますが、航空会社ではもはや一般化したeチケット、これがメール添付で送られてくる場合が多いのです。航空会社がそういう運用をしている以上、航空券を取り扱うJTBではメール添付を禁止にすることなどできるわけがありません。当然、標的型メールはその業務フローを理解したうえで、攻撃をしかけてきているわけです。これではとても業務スタッフを責められるわけがないのです。もちろんJTBの問題はそれだけではないのですが、問題の根っこはメールではなくて、業務フローにあったのです。
つまり、この先しばらく私たちはメールの添付ファイル問題と付き合っていく必要があります。そこで最後にもう一度整理しておきましょう。
・ZIPによるファイル送付は避ける
・業務フローの中に添付ファイルが組み込まれている場合、代替案を検討する
不要な添付ファイルそのものが少なくなれば、標的型メールへの自衛もこれまでよりは改善されていくはずです。それにこれらのことは会社のメールのシステムなどとは無関係に自分たちの手元でできることです。抜本的解決がすぐにできないことがわかっていて、メールというものもすぐになくせない以上、まずは自分たちの手元から対策を考えていくしかないのです。
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