思考のスピードが速い人は「型」で考えている 思いつきで「もぐら叩き」するのは時間のロス
フレームワークは、いわば散らかった子ども部屋を片づけるときの、おもちゃ箱のようなものです。子ども部屋を片づけるときは、「おもちゃの種類ごと」に片づけることもあれば、「持ち主(子ども)ごと」に片づけることもあります。「捨てるもの/捨てないもの」で分けることもあります。このおもちゃ箱(フレームワーク)の種類は大量にあり、コンサルティング業界の人が辞典をつくるくらいです。
でも、恐れる必要はありません。まず身につければいいのは、①MECE(全体像を把握する)、②ピラミッド(構造化する)、③課題解決のフレームワークの3つの型だけです。
MECEで「全体像」を把握する
まずは、MECEから説明しましょう。とっちらかった事象を最速で整理するときに最も重要なポイント。それは、「全体像」を把握すること、さらに言えば、「モレのない」全体像を把握することです。
全体像を描くと、今やっている仕事や考慮していることが全体のどこに位置づけられているかが明確になります。一生懸命、体力と時間をかけてやっている仕事が、実は全体から見るとさまつなことだった……という失敗はよくあります。
全体を俯瞰したうえで、「適切な体力と時間」を、「適切な場所」にかけるためにもフレームワークが必要になるのです。
たとえば、あなたの事業部が「グローバル展開をしよう!」という目標を立てたとします。最初にすべきは、世界地図を広げ、どんな大陸、地域、国があるかを見て全体像を把握することです。これをせずにいきなり「米国と中国を攻めてそれぞれ100億円の売り上げを立てるぞ!」と考えてしまうと、戦略に穴ができてしまいます。
ここで使うフレームワークが、「MECE」です。MECEとは、ロジカル・シンキングの最も基本的なフレームワークで、「Mutually Exclusive(ダブリなく)Collectively Exhaustive(モレなく)」の意味です。
「すみません、考慮がモレていました」という言葉を発してしまうことが多い人は、MECEのアプローチが身に付いていないのだと思います。
世界地図の例で言えば、そこにはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸など、6つの大陸があり、そしてそれぞれの大陸には地域と国があります。その全体像をおさえてから、グローバル戦略として攻める国と攻めない国を色付けして決めるのです。いきなり、思いつきで米国と中国を攻めるぞ、と決めてはいけません。
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