米スニーカー専門クリーニング店のすごい技 泥んこ、血だらけのスニーカーも元通りに!

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自宅で洗ってみようとはしたのだという。しかし、彼女は店員を指さしながらこう付け加えた。「自分でやるよりも、彼らは断然素晴らしい。彼らが店を開く前はスニーカーを買い替えるしかなかった」

マークのアイデアが斬新だったのは、スニーカーを高級で崇められるような靴として扱ったことだ。ブルーノマリのオックスフォードが丁寧に手入れされるなら、ナイキエアもそうすべきでは? しかし、持ち込みのサービスは後から思いついたのだという。

ロサンゼルスのハーバー・シティーで育ったマークは、バスケットボールに興じ、ヒップホップを聴き、パーティーではDJをした。スニーカーとは切っても切れない環境だったと、彼は言う。

独自のスニーカー用クリーナーを開発

広告代理店出身のジェイソン・マーク氏は独自でスニーカー専用ケア用品を開発 (Jake Michaels/The New York Times)

広告代理店で働いていた20代のある晩、ナイキのハイトップをぬるま湯と低刺激の食器用洗剤で洗っていたとき、天のお告げのようにこう思った。なぜスニーカー専用のクリーナーは売られていないのだろう?

周りに聞いてみると、スニーカーマニアたちの多くが彼と同じように手製のクリーナーを使っていた。マークはスニーカー専用のケア用品を開発することを決断し、化学者を雇った。研究開発は10カ月に及んだ。

彼が求めたのは靴を傷めることなく、スウェードやポニー毛、オーストリッチなど、あらゆる素材に使用できる万能な商品だった。

商品が完成するとマークは仕事を辞め、トレーラーでキッチンナイフをひと夏売り歩いた。その経験で販売の基礎を学んだという。

2007年にクリーナーの販売を開始すると、すぐにファッション情報サイトの「ハイプビースト」などで絶賛され、ロサンゼルスのアンディフィーテッドなど影響力のあるスニーカーショップとコラボレーションもした。

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