注意!猛暑最高記録「41℃越え」が迫っている 「5年トレンド」で平均気温は上昇傾向
日本の最高気温の記録は2013年8月12日に高知県の江川崎で観測された41.0℃だが、温暖化をバックに、この記録が更新される日は、遠くないのかもしれない。
その候補となり得るのは「猛暑の横綱クラス」ともいうべき地域だ。中央日本の太平洋側の海から少し離れた平野部、山梨県や岐阜県の、太平洋側から山一つ越えた内陸部などである。また、西日本では盆地に高温がでやすい。なお、このような地域性に加え、都心部のヒートアイランド効果があって市街地の中心部は高温になりやすく、生活者への影響は大きい。
なお、2010年に限らず、近年の猛暑は大雨を伴う。熱波と熱波の間に来ることが多いが、ほぼ同じ時期に併発することもある。いずれにせよ、気温の上昇だけでなく、大雨や豪雨についても同時に対策を立てておかねばならない。
この盛夏の雨は、「梅雨の戻り」「もどり梅雨」などと呼ばれて注目されてはいるが、詳しい研究がない。あえて海外に例を求めれば、朝鮮半島のチャグマ(盛夏の雨季)がこれに相当する現象ではなかろうかと思う。いずれにせよ、この盛夏の雨季が真夏日の増加、猛暑・酷暑の強化によって活発化するであろうということは、われわれにとって非常な関心事だ。
「暑さ」に関する消費者心理は単純ではない
人間の生活や消費行動は猛暑によってどのような影響を受けるのだろうか。先にヒートアイランドにふれたが、以下で、まとめて考察しておく。
まず熱中症だが、これについては研究も多く、新聞・雑誌・テレビなどでよく取り上げられているので具体的には深入りせず、現在の問題点をあげたい。まず、スマホ時代に入って、熱中症や紫外線対策に関する個人レベルでの情報伝達が非常に浸透した。
しかし、高齢化社会においてはIT社会に取り残される人が多くなるため、独り暮らしの高齢者への対応・対策を立てる必要がある。また、日本で公表され、情報や研究結果にあげられている数字はあくまで「救急車で搬送された人数」である。海外と比較する場合、この点に留意の必要がある。
次に、経済面での影響。2010年7〜8月のコンビニエンスストアの売上高は前年同期比で0.9%増だった。しかし、8月を7月と比較すると、来店者数が9.2%増えたにもかかわらず、総購入金額は1.9%減少したため客単価(客1人当たりの購入額)は落ち込んだ。
居酒屋やパブも似た傾向を示した。同年6~8月の客数は前年同期から1.1%増加したが、客単価は2.3%減少している。コンビニと同様、店内に入ると涼しいからと推察できないわけではないが、消費者心理はそう単純ではないようだ。
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