注意!猛暑最高記録「41℃越え」が迫っている 「5年トレンド」で平均気温は上昇傾向

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では平年値とは何か? これは過去30年の算術平均値だ。世界気象機関(WMO)加盟各国の取り決めに従い、日本などでは現在、公式には1981〜2010年の30年平均の値を平年値としている。研究目的などであれば、1986〜2015年の30年平均などを計算して使っても差し支えない。

どうして30年なのか。理由は幾つかある。統計学的に見て標準偏差が比較的小さくなる最少の年数なのに加え、世界に展開されている気象観測所の総数や地域的な偏り、人間ひとりの現役年数などをもとに、30年と定められているのだ。国の歴史や政治・経済事情、人間の一生など、自然科学以外の要素が背景になっているのだ。

かつてスイスのジュネーブにあるWMO本部で、30年を基準とすべきかどうかを論じる委員会に出席していた筆者は、奇異に感じた。だが、考えてみれば、暑さや涼しさは結局のところ、人間の一生の間の経験、環境体験に基づく主観的な感覚だ。言い換えれば、たとえば40℃といっても、受け取めかたは地域や個人、職業などによって差があるわけだ。

「5年トレンド」で見ると平均気温は上昇傾向

さて、ここからが本題だ。過去のデータに基づいて、今夏に関する「傾向と対策」を筆者なりに考えてみる。

気象庁の資料に基づいて筆者が集計

まず日本を北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の4つに区分、各地区の6~8月の平均気温が平年と比べ、どの程度高かったかを調べてみた。その上で、1976〜2015年を5年単位で区切り、該当する気温の差が生じた地区の数と発生した年の数を掛け合わせた数字を一覧表にすると、わかることがある。

たとえば「1」は、該当する平均気温差を記録した地区が、その5年間のうち1年だけ、1地域だけあったことを指す。理論的な最大値は20(4地区すべてで該当する気温差が5年連続で発生した場合)になる。昨年までの40年間で、統計値は、ほぼ増加の一途を示している。温暖化が進んでいることは、疑う余地がない事実なのだ。

こうした中で、平均気温が平年よりも1.5℃以上高かった列の統計値を見ると、1996〜2000年は1だったが、次の5年間は0だった。続く2006〜2010年は3で、続いて2015年までの5年間は再び0となった。

このパターンが続くとすれば、今年以降の5年間は大きな値が出て、夏場の平均気温が平年を大きく上回る可能性が高い。

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