「英国EU残留」なら1ドル110円になるか 金融危機か収束か、問題はむしろ投票後

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EU残留派もキャンペーンを再開。23日の国民投票は重要だが、問題は「その後」だ(ロイター/アフロ)

離脱で1ドル100円割れに?「議論」は煮詰まってきた

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世界のマーケットが最も注目している英国の国民投票が23日に近づいてきた。「離脱」「残留」何れの選択を英国民が下すかによって市場の動きは変わってくるが、かなり議論は尽くされてきたように思われる。筆者の関わる為替市場に関して言えば、「離脱」となれば英ポンドは10-15%前後下落することになり、「残留」となればBREXIT(EU離脱)の議論が始まったスタート地点に戻ることになる。

英ポンドの水準を議論するときは、最も取引量の多い対ユーロでのレートをベンチマークとして考えるのが通例だ。現状1ユーロ0.7900前後であるが、「離脱」の場合は0.90の方向へ、「残留」の場合は0.73の方向へ向かうと想定されており、それを我々に馴染みのあるポンド円に換算すると、「離脱」で130円、「残留」で165円、ドル円へのインパクトを考えると、「離脱」で100-102円、「残留」で106-108円程度であろう。

為替の変動、それに加えグローバルに株価が下落することで、「離脱」した場合はより「リスクオフ」が進むという試算も多い。しかしながら、仮に「離脱」としても、英国がEU(欧州連合)を実際に離脱するのは最短2年後である。またボリス・ジョンソン氏(前ロンドン市長)を始めとする離脱派は、欧州側との離脱交渉が終わってから離脱申請する考えのようで、仮に交渉に2年かかるとすれば、実際の離脱は4年後と、随分先の話になる。

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