安倍新政権は農業・観光・医療を強化せよ デフレ脱却は成長産業の育成にあり

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しかしながら、家電産業の凋落を見てわかるように、いくら優れた技術を持っていても、安い労働力を持つ韓国や中国と同じ土俵で競ってしまっては、ほとんど勝ち目がないということを忘れてはなりません。

「農業」「観光」「医療」は有望な成長産業

そのような視点で見ると、韓国や中国にも当面追いつかれることなく、またアジアの成長によって今後も市場の拡大が予想されることで有望な成長産業となりう得るのが、「農業」「観光」「医療」の3つの分野といえるでしょう。日本経済を復活させるためには、これらの3つの分野を10年かけて(理想は5年なのですが)成長産業に育てることが望ましいと考えられます。

実は、この3つの産業は密接にリンクしています。たとえば、海外の富裕層や中間層に、日本への観光を兼ねて、先端的な医療あるいは人間ドックを受けに来てもらいます。そして、湯治などを含めた観光では、ご当地の美味しい日本食を楽しんでもらいます。それができれば、帰国した後も、安全で品質の高い日本の農産物を食べてもらえる機会が増えるでしょう。

ひとたび日本のファンになってもらえれば、その後もたびたび日本を訪れてもらうことができるかもしれません。

こういった日本の強みを生かせる産業の組み合わせこそが、農業、観光、医療の高付加価値をさらに高め、日本ブランドを確立することにつながります。そうなれば、中国や韓国、台湾などアジアのライバルたちとの価格競争にも巻き込まれることはなく、賃金水準が比較的高い新たな雇用をつくり出すことができるのです。

政府は金融緩和よりも産業育成に力を入れよ

しかしながら、現状では、「農業」と「医療」は国の規制でがんじがらめになっていますし、「観光」は国の経済規模で見ると、諸外国に比べ、圧倒的に予算が少ないというハンデを背負っています。したがって、政府が、新しい成長産業をつくり、国民の所得を増やそうと本気で考えるならば、このような閉塞した状況を打ち破るプランをつくり、それをすぐに実行に移さなければなりません。

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