GHQは「日本国憲法」をこう読んでいた 英語版でわかる、憲法の「二枚舌」
さらに解析すると、この部分をアメリカ人は全く違うニュアンスで読むであろうことがわかってきます。
前文の第一文は、アメリカ憲法のコピペだった!?
畠山氏は、「憲法の前文の第一文は、アメリカ合衆国憲法(1788年発効)の前文を元ネタにしている」と指摘します。
では、アメリカ合衆国憲法の前文を読んでみましょう(和訳を読んでもわかります)。
文章構成だけでなく、フレーズや単語なども似ていることがよく分かります。
例えば主語は、アメリカ憲法では We the People of the United States で、日本国憲法では We, the Japanese people と、ほぼ同様の表現。
「私たちの世代だけでなく子孫の代でも」の部分は、to ourselves and our Posterity(米)、for ourselves and our posterity(日)。
さらに、アメリカ憲法の do ordain and establish……「定めるとともに制定する」の部分は、日本国憲法では、do proclaim 「ここに宣言する」と、同じ位置で強調の do を使用しています。
以上のことから、憲法の前文は、アメリカ合衆国憲法を下敷きに改正したものである、ということがよく分かります。
池上彰氏は、「大日本帝国憲法は、ドイツ憲法(ビスマルク憲法)が下敷きになっています。現行憲法は、ドイツ憲法を下敷きにした大日本帝国憲法を、さらにアメリカ合衆国憲法を下敷きにして改正したもの、といえるかもしれません」とコメントしています。
こうしてみることで、憲法学者ではなくても、憲法の裏側を理解することができるのです。