「芥川賞・直木賞」をどれだけ知っていますか 思わず人に話したくなる薀蓄100章

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21. 芥川賞と直木賞は雑誌の売り上げが落ちる2月と8月に話題を作るため始めた賞という側面もあると言われる

22. 芥川賞は主要文芸誌(『新潮』『群像』『文學界』『文藝』『すばる』)に掲載された作品から選ばれることが多い

2つの賞の選考過程

23. 選考過程の最初の段階として、日本文学振興会の委託により文藝春秋社員20名で構成される選考スタッフによって候補作の絞り込みが行なわれる

24. まず、芥川賞は文芸誌から同人誌まで幅広い雑誌に掲載された作品から80作品程度、直木賞は刊行された単行本から80作品程度が選ばれる

25. 同時に日本文学振興会では外部の出版社の編集者、文化人など約300人にアンケートを送り推薦作を募って優れた作品を見逃していないかチェックも行なう

26. 選考スタッフは4班に分かれ、各班3~4作品ずつ分担して作品を読み込み、班会議で推薦作品を選定。それを各班が持ち寄って本会議を行い、さらに作品を絞り込む

27. この「予備選考」は「下読み」とも呼ばれる

28. この班会議~本会議の過程が10回以上繰り返され、最終的に候補作品5~6作が決定される

29. 候補作が決定した後、候補者の受賞意思の確認を経て、最終候補作品が発表される

30. 最終候補作品発表は、受賞作選考会の約1カ月前

31. 両賞とも、当初から変わらず作家が選考委員となり新鋭作家を選ぶという選考スタイル

32. 現在の芥川賞選考委員は小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・高樹のぶ子・堀江敏幸・宮本輝・村上龍・山田詠美の9名

33. 直木賞の現在の選考委員は浅田次郎・伊集院静・北方謙三・桐野夏生・高村薫・林真理子・東野圭吾・宮城谷昌光・宮部みゆきの9名

選考会は、東京・築地の料亭「新喜楽」で行われている(写真 :bunnbukuP / PIXTA)

34. 選考会が行なわれるのは、東京・築地の料亭「新喜楽」。芥川賞は1階、直木賞は2階の座敷と決まっている

35. 選考委員はあらかじめ候補作を○△×による採点で評価、各委員が評価を披露した上で審議が行なわれる

36. 得票が競ったときは決選投票を行い、最終的な受賞作を決定する。議論が割れて投票を数回行うこともある

37. 受賞発表の当日は、候補者は夕方から待機し、選考委員からの連絡を待つ

38. 受賞者の記者会見と贈呈式は、有楽町の東京會舘で行なわれるのが恒例。現在は建て替えのため帝国ホテルで行なわれている

39. 選考会の司会は『文藝春秋』の編集長が務める

40. 受賞者の発表と同時にNHKで速報が流れる文学賞は、芥川賞と直木賞だけ

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