金融政策と深く関連する為替政策については、円安は85円程度までなら許容範囲だが、今後の一番の波乱要因だ。
日本経済にリスクがあるとすれば、極端な円安だ。円安のトレンドが確立すれば、日本売りしたほうが儲かるので、円と同時に日本国債が売り込まれ、国内投資家が資本逃避を進める。この国債暴落リスクを高くしないためには、悪い円安の進行に歯止めをかけるべきで、金融緩和をさらに加速するならば、もう一つの円安要因、経常収支の悪化を止め、改善することが必要だ。
そのためには、貿易赤字の削減を図るべきで、原発再稼動を迅速に積極的に行う必要がある。実際の再稼動は、参議院選挙後でもいいかもしれないが、再稼動のためのプランは直ちに立案実行するべきで、そのためにも、民主党政権以上の安全対策を行うことが前提となるだろう。補正予算による公共事業は、これを最優先するべきだ。
これで、強力な金融緩和とのバランスがとれ、悪い円安、海外資金逃避、国債暴落、銀行危機、という最悪のシナリオを回避することに全力を挙げてもらいたい。これは、自民党が望む公共事業の拡大に必要なことで、安定的な国債発行が実現することにより、可能となるのだ。
唯一、安倍政権が死守すべきことは、長期国債の名目金利の上昇を防止することだ。これが株価上昇よりもGDP成長率上昇よりも、何よりも重要なことだ。
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