13年末1ドル85~86円、国債増発は回避も

安倍政権下で為替、債券はどうなる

安倍新内閣が26日にも発足する。今後のマーケットはどう動くのか。為替と債券の見通しについて、それぞれメリルリンチ日本証券チーフエコノミスト吉川雅幸氏、ゴールドマン・サックス証券チーフ・エコノミスト馬場直彦氏、野村證券金融市場本部のチーフストラテジスト松沢中氏、の3人の専門家に聞いた。

(為替)13年末に1ドル85~86円、14年には89円も

(メリルリンチ日本証券 チーフエコノミスト 吉川雅幸氏)

私が新政権の成否として最も期待しているのは為替だ。2013年の前半は財政出動も行われ、一定の効果もあるだろうが、財源の制約を考えると財政で景気を支え続けるのは難しい。

一方、過剰な円安をリバースすることは、デフレからの脱却において最も重要なルートになると考えている。1ドル95円~100円まで押し戻せば、新政権の政策として相当の効果が期待できる。

手段としては一部で言われているような日本銀行の外債購入といった極端な方法は最後の手段である。

その前に、基本的な金融緩和をもっとやるということだ。たとえば米FRBの緩和のポイントは1)コミットメントの強化2)保有資産の期間の長期化3)バランスシートの拡大だが、日銀では1)コミットメントとアカウンタビリティ2)保有資産の長期化が足りないと思う。

13年4月の日銀総裁人事では、自民党は仮に民主党が反対したとしても、参議院でもみんなの党や新党改革、日本維新の会などの賛成を得られれば、意に沿った人物を起用することができるだろう。

当社では為替のレンジとして13年末1ドル85~86円、14年末89円と予想している。だが、新政権の政策次第では、こうした円安水準がもっと早く達成される可能性がある。

(債券)現実的な財政出動で、国債増発は回避も

(ゴールドマン・サックス証券 チーフ・エコノミスト 馬場直彦氏

自民党も公明党も財政出動に強くコミットしており、民主党政権時代よりも財政規模は大きくなる。その意味では債券にとってネガティブだろう。しかし今後、今年度の補正予算編成などが始まる中で、そんなに無茶に大きな財政出動ではないという認識がマーケットに浸透するのではないか。

今年度補正予算は、消費税増税を確実に実施するうえでも重要なものだ。規模としては5~7兆円程度のイメージを持っている。財源は11年度決算の剰余金や国債償還使い残し分、税収の上振れなどを活用し、そのうえで足りない分を建設国債で賄うことになるだろう。補正予算の建設国債発行額は最大でも2~3兆円ではないかと見ている。これくらいなら、何とかマーケットで消化できる範囲ではないか。

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