食事中に話が「盛り上がらない」ときの脱出法 会食参加者が話をしやすい雰囲気はこう作る

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お相手があまりしゃべらない場合、自分の趣味の話や旅行の話をする場合もありますが、ここで大事なのはいつまでも自分の話をし続けないこと。会話のきっかけをつくるための話であって、そこで自分が話し続けてはいけません。

相手が何かの話題に食いついてきたらこちらから話題を振ってみる、話しやすい環境を作っていくのが大事です。先方の若い人が緊張している様子であれば、その人も会話に入れるように質問したり、会話をふってみたり、さりげなく参加を促してみましょう。

お相手が何かご自分の話をされていて、盛り上がりのまさにクライマックス!というときに「失礼します」とお店の方が次のお料理を持って来られて料理の説明をされることがあります。そうすると、そこで話が中断されてしまいます。お店の人が出て行かれたあとはつい、その料理の話になってしまいます。その後、延々と料理の話をしないほうがいいですね。

その後どうなったんですか、の一言が利く

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こういう場合は先ほどの話に振ってバトンをその方に戻してあげるのが大事です。話している方はせっかく途中まで話したのだからその続きを話したい、と思っていても誰かが料理の話を始めたら「え~さっきの話の続きだけど」と自分からはなかなか言えなかったりするのです。

そういうときは「その後どうなったんですか?」などと言ってこちらからその人が話しやすい雰囲気に持っていきましょう。

誰かが話しているときに、ひとつのワードに引っかかり、どうしてもそのことを話したくなって「話は違うんだけどそういえばこの話」とまったく違う話に変えてしまう人もいますよね。そのときに話さないと忘れてしまう大事な話かもしれません。けれども「会話の腰を折らないこと」は基本的なマナーです。人の話をさえぎって自分の話をしないように、気をつけることが大事です。

相手の話を聞く、話しやすいように誘導するとともに話していないメンバーにも気を配るようにします。それは取引先だけでなく、社内のメンバーにもさりげなく話をふったり質問したり、参加したメンバーすべての人が気持ちよく、居心地よく過ごせる場面作りが重要です。

会食はお店を決めて予約をして案内をする、当日料理を決めたらそれで終了、というわけではありません。お相手とのいい関係作りをしていくためには「楽しかった」と思われるような会にしたいものです。そのためには会話を導くさりげない心配りが大切になるのです。

平原 由紀子 WITH YU代表取締役

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ひらはら ゆきこ

関西学院大学卒業後、一般事務としてOLを経験。その後、老舗広告代理店に16年間勤務した後、2003年、業界最大手の電通と共同出資し、国内外有名ブランドをクライアントとした 広告代理店「株式会社ザ・ゴール」を設立。クライアントとコミュニケーションパートナーとして強固な信頼関係を築き、業界を代表する会社へと導く。2013年、創立10周年を機に退職。現在は、「株式会社WITH YU」を設立し、 ファッション業界を主とした企業のコンサルティングとアドバイスを行う。「手みやげコンシェルジュ」としても活動。著書に『できる人の会食術 仕事ごはん 部下ごはん』(CCC メディアハウス)。

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