牧原青年局長「逃げ切れる時代は終わった」 参院選で自民は若者とどう向き合うのか

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「若者がもっとものを言わないと、日本は『シルバー民主主義』になってしまう」。自民党の牧原秀樹・青年局長は言う。「18歳選挙権」は「日本の危機」を救うきっかけになるか
有馬氏が気鋭の政治家に聞く第6回は、自民党の牧原秀樹・青年局長。「45歳で青年局長」はやや違和感があるかもしれないが、安倍首相や小泉進次郎氏(農林部会長)も経験した党の重要ポストだ。「18歳選挙権」のもとで迎える7月10日の参議院選挙に、自民党はどう臨むのか。有馬氏が迫る。

若者の目で「中長期の利益」を考える日本に

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有馬:大半の読者が知らないと思うのですが、自民党の青年局とは、何をするところなのでしょうか。そこで牧原さんは「45歳の青年局長」として何をしているのですか?

牧原:自民党には47都道府県に若者が属する組織があります。青年局・青年部や学生部が主体ですが、このうち青年局は、党本部では45歳以下の政治家が役職につく決まりです。学生部は今まで11都道府県にしかありませんでしたが、18歳選挙権を機に、各都道府県につくっていただくよう働きかけました。

また、青年局で言うと、都道府県単位では45歳よりももっと若い年齢で区切っている組織もあれば、年齢にこだわらない組織もあり、さまざまです。いずれにしても、青年局長という若手議員のリーダーとして、全国の若者向けのさまざまな大会やイベントにこまめに顔を出して交流を図り、さまざまな意見を聞く、というのが私の役割です。

有馬:いよいよ7月10日の参議院選挙で「18歳選挙権」が実現するわけですが、改めてこの選挙法改正は、よい制度改革だと思いますか?

牧原:二つの点から、率直に評価したいと思っています。一つは有権者の構成の観点です。高齢者は大事なのですが、日本は超がつく高齢化社会になり、一部では「シルバーデモクラシー」と言われるくらい、高齢者の意見が通り過ぎていることも指摘されています。「年金や介護ばかりにお金を使うな」という若い人々の声も貴重です。今回の選挙制度改革で、従来よりももっと、若い世代が加われるようにしたいと思います。

もう一つは「ポピュリズム」(大衆迎合政治)からの脱却、という観点です。今は世界中にポピュリズムが蔓延しており、極めて「目先の利益」を求める風潮が強まっています。このままでは、中長期でみた国益を損ないかねません。その視点からも今度の改革は評価したい。実は私が政治家になりたいと思ったのも、中長期で日本をよくしたいというのがきっかけになっています。

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