牧原青年局長「逃げ切れる時代は終わった」 参院選で自民は若者とどう向き合うのか

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どの党でもいい。白票でもいいから、投票所に行ってほしい。それが日本をよい方向に変えていく

有馬:今回の法改正で晴れて投票権を得ることになった18歳、19歳の皆さんにメッセージはありますか?

どの党でも良いし、白票を投じるのでもいい

牧原:ぜひお願いしたいのは、とにかく投票所に足を運んでいただきたい、ということです。あえていわせていただければ、どの党でも良いし、白票を投じるのでもいい。冒頭にも申した通り「自分の一票で日本の未来が変わる可能性がある」ということを、ぜひわかっていただきたいのです。

「放っておいても、誰かが何とかしてくれる時代」は終わりました。これからは「自分たちで何とかする時代」になります。よく私は若者に「逃げ切れる世代」なのか「逃げ切れない世代」なのかといった話をするのですが、日本の既存のシステムに乗っかっていたら、家電業界がまさかの展開になってしまったように、今のままでは20年後には個人も日本も生き残れません。

私は「今の日本は、タイタニック号のようなものだ」と常に言っています。船の外から見れば沈没しかかっているのに、船の中ではそれに気づかず、舞踏会を開いているようなものだからです。船が沈みかけているのに、例えば、「スープに髪の毛が入っている」などと細かいクレームをつけていても始まりませんし、船長やほかの誰かのせいにしている場合ではありません。人口減少社会の中で、冷静に日本と世界の現状を見つめ、やるべきことをみんなでやりぬくしかありません。これからは日本人が他の国に比べて優位な部分を把握して、強くしていかないといけません。例えば徹底的にお客さんのことを考えるとか、細かい努力を惜しまないといった点はアメリカ人にはあまりできないのですから。

「よりよい日本」にするために、どうすればいいのか。若い皆さん一人ひとりが考える。そのうえで、日本をよくするために一生懸命働いていると思う政治家に、ぜひ一票を投じていただきたいと思います。

【有馬の目】7月の参院選で、18、19歳投票率はどのくらいか、何を基準にその人に投票したのか、どの政党のどの政策に共鳴したかなど、投票行動がわかる。若手政治家として、若者の声に耳を傾け、政治教育、将来の国造りに役立てて頂けることを期待したい。

(撮影:今井 康一、構成:福井 純)

有馬 晴海 政治評論家

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ありま はるみ

1958年 長崎県佐世保市生まれ。立教大学経済学部卒業。リクルート社勤務などを経て、国会議員秘書となる。1996年より評論家として独立し、テレビ、新聞、雑誌等での政治評論を中心に講演活動を行う。政界に豊富な人脈を持ち、長年にわたる永田町取材の経験に基づく、優れた分析力と歯切れのよさには定評がある。ポスト小泉レースで用いられた造語「麻垣康三」の発案者。政策立案能力のある国会議員と意見交換しながら政治問題に取り組む一方で、政治の勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰し、国民にわかりやすい政治を実践している。主な著書に「有馬理論」(双葉社)、「日本一早い平成史(1989~2009)」(共著・ゴマブックス)「永田町のNewパワーランキング100」(薫風社)、「政治家の禊(みそぎ)」(近代文芸社)など。

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