スマホの使いすぎは、身体をボロボロにする 首の筋肉の凝りを決して侮ってはいけない

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凝りからくる痛みの恐怖は、首肩や背中の痛みだけにとどまらない。痛みとは、神経の興奮を意味する。凝りが神経を興奮させ、その興奮は生命を保つための大切な臓器や器官の働きの邪魔をすることになり、致命的な病気となる。いわゆる自律神経失調症である。しかも、大問題は、自律神経に効くクスリがこの世に存在しないことだ。

自律神経の興奮は血管を収縮させる。流れを止められ血液はかたまりとなって、脳や肺に運ばれ血管をふさぎ、死亡や重度な後遺症を残す疾患を発症させる。長時間の座りすぎで死に至る病気である「エコノミー症候群」だ。

最近では、熊本の大震災後、乗用車の中に避難する人がエコノミー症候群に見まわれたニュースは記憶に新しい。すべての元凶である首の凝りは腕の良い指圧師や鍼師、整体師の手を借りなければ完治は望めない。

スマホの長時間使用は神経の異常な興奮を引き起こす

スマホの使用時間が長いということは、首、肩、背中、腰を痛め、体内の神経の異常な興奮を引き起こす。神経の興奮はカラダの諸器官の働きをそこね、治癒不能の症状により「社会的廃人になる」といってよい。長年の臨床上、筋肉の興奮と自律神経の失調による疾病の因果関係と治療方法を一刻もはやく講じなければ文明国の名前を返上しなければならないだろう。

動物は動いてこそ、生命を快活に維持できるように変化してきた。経済活動の利便性のためや快楽の追求のために、体を静止した状態で作業を長く続けられるように人は進化してきていない。

スマホの使用時間を制限しないかぎり、どんなに良い治療方法をもってしてもスマホ依存症による文明病を解決できない。ただ、大人でさえコントロールが難しいスマホの扱い方を、どうやって子供たちに指導すれば良いのか? 10代を子供に持つ30~50歳の働き盛りだけの問題ではない。

ただ単にスマホを取り上げればいいというような目先の解決策だけでは処理できない。次代を背負う子供達の健康を守るには、使用時間を設定できるようなソフトウエアを備えた機器の開発も考えなければならないのかもしれない。

武笠 公治 鍼師/東京大学農学生命科学研究科農学特定支援員

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むかさ きみはる / Kimiharu Mukasa

東京大学農学生命科学研究科農学特定支援員

鍼師、灸師、あんま、マッサージ、指圧師(国家資格)

ムカサ治療所院長

鍼や灸、あんまや指圧の治療効果は、細胞を継続的に破壊することで起きてくる生体反応を利用していることに着目し、独自の理論と技術を構築。東京大学の教授陣からこの理論の研究者として迎え入れられる。

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