穀物中心に原材料高騰、川下では低価格競争 【産業天気図・食品】

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食品業界では、12年度後半から13年度前半にかけて、引き続き「曇り」の状況が続きそうだ。

メーカー各社の頭を悩ませ続けているのが原材料の高騰。12年8月下旬には、シカゴの大豆、トウモロコシ相場が史上最高値を更新。一般的に、この時期に高値で調達した原材料が加工されるのは12年度後半以降になる。

輸入小麦は政府が一元的に管理しているが、12年10月から売り渡し価格が全銘柄平均で3%引き上げられた。製粉各社の在庫などを考慮すると、価格引き上げの影響が製パン業界、製麺業界などに及ぶのは年明け以降。13年4月には、さらに売り渡し価格が引き上げられる可能性もある。

日清オイリオやJ-オイルミルズなど製油各社は、4月、7月に続き10月にも家庭用、業務用の油を値上げすると発表。キユーピーや山崎製パンなど業界最大手メーカー各社も、原料高が続けば値上げも検討するとしている。穀物だけでなく、ソーセージ皮の原料となる羊腸など、前期から引き続き高止まりが続くものもある。

原料高でも値上げ困難

問題は、原材料が高くなったからといって、簡単には最終製品の値上げが浸透しないことだ。12年度後半に入り、小売り各社の低価格競争が一段と激しさを増している。

 

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