それよりも、ある基準に基づいて自分がやりたい仕事の要素をいくつか決めて、その基準に合うような仕事を探すというほうが現実的です。ある程度の「あたり」をつける、ということです。
そのほうがやみくもにすべての仕事をまずは網羅し、と考えるよりも効率的です。そしてその際の基準は、自分の基準であるべきであり、世間の基準ではいけません。
「安定した職業」は幻想だ
たとえば書かれているような「安定した職業」。これも現時点において安定していると世間に「信じられているだけ」でしょう。そしてそのことを聞いたちあきさんが「安定した」職業として認識してしまっている、ということかと思われます。これから年々、何十年と経つにつれて現在の安定が安定であり続ける保証はどこにもないわけですし、決して誰かが安定を保証をしてくれるものでもありません。
ちなみに私が通っていた都立高校を卒業した当時は、いわゆる大企業に入れば一生安泰、というような雰囲気がまだあった時代です。ところがすぐに大手証券会社の一角が破綻し、その後も大手企業の倒産が相次ぐという事態になったわけです。そしてご存じのとおり、大企業に入れば一生安泰なんて幻想を持っている人はもはやいないわけです。
その後、私が大学を卒業するちょっと前は、今度は猫もしゃくしもITベンチャーだ、という時代がありました。そしてその後、ITベンチャーバブルの崩壊とともに、やっぱりベンチャーは危険だよね、という雰囲気になったわけです(とはいえ、私はそんな時代にあえてベンチャーに飛び込んだのですが)。
つまり世間の常識というものは、その程度のものなのです。現時点において信じられていることが永久に続くということはないわけです。ましてや、そういった安定した企業なり職業が自分の性格に向いているかや、やりたいことを実現しうる会社であるかはまったくの別問題です。
何を言おうとしているかというと、本来、自分自身が職業に対して求めているであろう要素を差し置いて、現時点で世間に信じられている前提(この場合は「安定」という幻想)をベースとして職業を選んでしまうと、後悔する可能性が非常に高いということです。
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