中国は心配ない、ハイブリッドも追い上げる ホンダ伊東孝紳社長に聞く

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アコードはエンジンもトランスミッションもシャーシも全部刷新。燃費は日系競合メーカーの新型車に一歩及ばなかったけど、走りや曲がりの運転性能、居住空間は競合車など目じゃない。

アコードの開発は私が社長に就任する前に少し進んでいたのですが、リーマン・ショック後に見直しました。それまで米国市場は大きな車を、日系競合メーカーを横目で見ながら開発をしていましたが、もはやそんな時代ではない。韓国メーカーもドイツメーカーもどんどんいい車を出している。自分たちの都合ではなく、米国市場に合ったベストな車を目指して開発をし直しました。

ヒュンダイ(現代自動車)が米国で燃費を水増し表示していたことは困ったことですが、でも、ヒュンダイがクルマ作りにかけている情熱はすごい。今までは大したことないと思ってきたけど、「ソナタ」からガラッと変わった。それはすごいショックです。

顧客に徹底的にアプローチして、最善のものを作ろうという意欲。燃費の問題はあるが、魅力的なデザインで、性能も高いということで、北米市場をどんどん攻めており、それは凄いことだと思う。

北米に必要なのはコンパクトカー

これからも北米市場全体については、安定的に回復していくでしょう。ただ、現在の車種も堅調ですが、これから大きく台数を伸ばすために重要なのは、フィット系のコンパクトカーです。メキシコで生産して、北米とメキシコに供給する。これは先進国市場における販売台数増の原点ですから、絶対に成功させなければいけない。

これまでフィット系は日本で生産して輸出で対応しており、それをメキシコで生産するというのはホンダにとって大きなジャンプになる。確実にやりきることが重要です。

――北米市場でコンパクトカーというのはイメージが湧きませんが。

時代がそうなるだろうという読みです。いま北米でフィットが堅調かと言ったらそうではないですが、それは輸出車なので円高が厳しく、たくさん売るほど赤字になる、という面もあります。

今計画している次世代のフィットはさらに進化していますから、新興国のエントリーカーがフィットのゾーンに移るという確信があります。これまではホンダのシビック、トヨタのカローラ、ヒュンダイのエラントラがエントリーという位置づけでしたが、時代は必ずもう一段クラスが下がると思っています。

北米でも、上のクラスとは居住性は大差はない、燃費はもっとずっとすごい、プラスアルファで最新技術でも入っていて、お手ごろ価格なら、こっちでいい、ということになる。アメリカ人は結構、価格と実用性のバランスにシビアだからそうなると思う。

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