中国は心配ない、ハイブリッドも追い上げる ホンダ伊東孝紳社長に聞く

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――東南アジアの中核拠点であるタイは。

タイは北米以外では一番初めにテコ入れ宣言をした拠点ですから、現地の開発体制は充実してきました。新興国向けの戦略小型車「ブリオ」は日本と現地で共同開発した車種ですが、そのブリオをベースにした派生車種の開発を現地でしています。

現地でデザインして、現地で設計図面を引いて、近々立ち上がりますがこれには日本は関与していない。タイでの開発自体は20年以上の実績がありますが、その内容は、現地部品の採用や、新興国ならではの悪路対応や耐久性を高める、といった、北米で開発したモデルを調整することです。

私が今やっているのは、そうではなくて、現地の人が好む商品を考えられる、そういうレベルの開発体制を持たせるということです。

日本でアジア専用車を開発する必要はない

タイはアジア地域の中核拠点ですから、タイ国内にとどまらすアジアの新興国に受け入れられる車を開発する役割がある。例えば三列仕様車やセダンタイプなどの派生展開。これはもう、そうしたニーズがない日本で開発する必要はなくて、タイ、アジアでやっています。

これまではアジアではこんな車種が受けそうだからと聞いて、日本で開発して、現地に持っていくというやり方でしたね。

――グローバル化について、伊東さんの考えどおりに社員は動いていますか。

グローバル化に反対する人はいないんじゃないかな。だって反対できるわけがない。残念ですが日本が将来にわたって中心になるという論理を振りかざす状況ではない。

もうグローバルに連携して動いていくという状況ですから、とくに民間企業はそうでなくてはやっていけない。すでに二輪事業は99%以上が海外での事業で、日本が中心なんて何を言っているんだって。四輪もそういう状況になっています。

確かにわれわれは日本オリジンの会社だし、日本が好きだから、世界で日本の存在感を示し続けたい。日本中心の会社でありたいから、ではこんな状況の中でどうしたら日本がリーダーシップを発揮できるのか。逆にそれを考えていかなくてはいけない。

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