MBA留学は本当に人生を変えるか? グローバルエリートの"聖地"は、今

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ハーバード大学ビジネススクールに留学中の笹本康太郎さん(33)は、ハーバードでは、リーダーシップやマネジメントの授業に加え、アントレプレナーシップ(起業家精神)、新興国ビジネス、ソーシャル・ビジネスの授業などが、人気を集めていると言う。

ハーバード大学ビジネススクールでは、フィールドワークを取り入れた授業が必修に

「2010年に新しい学長が就任してから、カリキュラムの改革が行われています。ハーバードといえば、ケーススタディ(実際、企業が直面した問題や事例を元に、学生が議論する授業)が有名ですが、昨年から、実践的なフィールドワークを取り入れた授業が必修になりました。

たとえば、『学生が新興国を訪れ、コンサルティング業務などを通じて、現地のビジネス環境を直接学ぶ授業』や、『3000ドルを元手に小規模なビジネスを起業し、ベンチャーキャピタルからの評価を競う授業』などです」(笹本さん)。

ペンシルベニア大学ウォートンスクールの浅原大輔さん(33)は、現在、ウォートン・サンフランシスコ校で、4カ月間の特別プログラムに参加している。アントレプレナーシップに興味がある人たちが選抜され、西海岸で集中して、起業家精神やベンチャーキャピタル業務などを学び、実践する。

「学校を挙げて、起業やソーシャルビジネスを推奨しているのでは、と思うほど、力を入れていますよね。ウォートンでは、僕が今参加している特別プログラムもそうですが、面白い起業アイデアには指導教官や資金も提供され、在学中、すぐに起業できるような環境が整っています。また、スタートアップ企業との共同プロジェクトも数多くありますね」

就職先にも変化が表れている。

私が留学していた頃に最も人気があったのは、投資銀行だった。それがすっかり鳴りを潜め、今や、起業する人や、ソーシャルビジネスを始める人が、「かっこいい」のだそうだ。

「ハーバードでは、『目先の給料のよさに惑わされず、自分が本当にやりたいこと、世界にインパクトを与えられるようなことに取り組みなさい』ということを繰り返し、教え込まれます。

『夏休みにどこでインターンやった?』と学生同士で報告し合ったときも、話題の中心になるのは、やはりスタートアップ企業での体験で、投資銀行でインターンとして働いた友人は、少し肩身が狭そうにしていましたね」と笹本さん。

前出の川本さんも、次のように語る。

「コロンビアでは相変わらず金融系に就職する人が多いですが、それでも、以前に比べると減っていると思います。全体的に給料が下がっているのに、依然としてハードワークなところが、人気が下がっている原因ではないでしょうか」 

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