こうした読者に向けて、「実際、『白熱教室』や『MBA留学』がどのように日本人の人生を変えるのか」をお伝えしたいと思ったのが、この連載を始めようと思ったきっかけだ。
白熱教室で人生が変わるかどうかは、結局、「授業を受けた人がそれをきっかけにどのように変われるか」にかかっているからである。
現在、欧米のトップビジネススクールには、まさに「人生を変えつつある」日本人留学生たちが、日本代表として奮闘している。
そこでこの連載では、ハーバード、スタンフォード、コロンビア、ウォートン(ペンシルベニア)など、トップビジネススクールの日本人留学生を取材し、「MBA留学が人生をどう変えるのか」、留学生の成長記録を現在進行形でお伝えしていきたい。
金融はもはやメインストリームじゃない?
自分が留学していた2000年ごろと、ビジネススクールはどのぐらい変わっているのか?
早速、コロンビア大学ビジネススクールの日本人留学生、川本暁彦さん(36)に取材をしてみた。
まず、授業について聞いてみると、私が留学していた頃に人気だった授業は、ほとんど残っていないとのことだった。
「コロンビアでは、バリュー投資関連の授業が人気を集めていて、名物教授のブルース・グリーンウォルド教授のLegends in Value Investing(バリュー投資・上級編)は、やはり人気がありますね。ウィリアム・ダガン准教授のNapoleon’s Glance(ナポレオンのひらめき)も、学生から高い評価を得ています)(川本さん)。
グリーンウォルド教授の授業内容については、『競争戦略の謎を解く』(ダイヤモンド社)や『バリュー投資入門』(日本経済新聞社)、ダガン准教授の授業は『戦略は直観に従う』(東洋経済新報社)に詳しい。
「コロンビア白熱教室」として11年にNHKで放映され、話題になったシーナ・アイエンガー教授の『選択の科学』の授業は、テレビ放映用の特別講義で、通常のカリキュラムにはない授業。
コロンビアに入学しても、残念ながら、あの白熱教室は存在しない。12年現在、アイエンガー教授は、エグゼクティブMBAプログラムでリーダーシップを教えている。
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