クワクボリョウタの《Lost #8(tokyo maurnouchi)》の部屋に入ると、暗がりの中、ライトを点灯した小さな模型の列車がレールの上を走っている。
部屋の壁にライトが当たり、動く影絵を映し出す。ミシンのボビンだったり、洗濯挟みだったり、どこにでもある生活用品が、思いがけない絵を作り出す。
「見慣れたものが置いてあるだけなのに、影に映し出されると見入ってしまいます。子供からお年寄りまで楽しめる作品です」と田中さん。
「うわっ」と声を上げそうになる迫力の影絵の正体が、ただのジョウロだったりする面白さ。怖くないものにおびえていることって、実生活でもあるような気がする。そして自分はこの小さなライトが照らし出す、世界のほんの一部分しか見ていないのではないか、などと想像が広がっていく。
参加して楽しめるのが廣瀬通孝の《Sharelog 3D》だ。交通ICカードを置くと、大きなスクリーンに移動履歴が映し出される。
早速やってみると、自分は渋谷周辺の狭い範囲をグルグル回っているだけだとわかった。次にカードを置いたサラリーマンの履歴を見ていたら、中央線をダイナミックに移動し、羽田空港もピカピカと光っていてカッコよかった。
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