名画の食卓を読み解く 大原千晴著

名画の食卓を読み解く 大原千晴著

食事風景や食べ物を描いた絵を21枚選び出し、メニューや食材の紹介はもとより、その当時の社会状況や食文化を解説した異色の西洋史書。題名から泰西名画の羅列を期待すると少々裏切られるはずで、壁画やタペストリー、さらに書物の挿画などが続き、絵画も中世以前のものが少なくない。もっともそれだけ時代や地域に広がりが生まれ、テーマは多彩となった。

ルノワールの明るく健康的な作品(舟遊びの人々の昼食)がモンマルトルの夜の世界とつながっていく話など、読むほどに名画を見る目も違ってこざるをえない。修道士は肉をたらふく食べていた反面、西洋なら肉食という思い込みを引っ繰り返す一節もある。権威としての宴席、着席順、食器など微に入り細をうがつうんちくは、フランスのカフェ、米国の簡易食堂やカウボーイの食事、さらに英国のアフタヌーンティーへと広がり、西洋文化への先入見を否定されること再三に及ぶだろう。(純)

大修館書店 2310円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
100億円の寄付を即決<br>ユニクロ柳井会長の危機感

ともにノーベル賞を受賞した京都大学の本庶教授、山中教授に、ユニクロの柳井会長が過去最大規模となる総額100億円を寄付すると発表。研究支援を決めた背景には、サステナビリティ、社会課題の解決などに対する柳井氏の強いメッセージがありました。