液晶TVでも携帯電話でも全敗になって当然?
もうひとつ、私の経験を話してみたい。
アフリカのコンゴ民主主義人民共和国で、レアメタルの鉱山に入った時のことだ。アフリカ人が鉱山現場で持っているのはみんな韓国製の携帯電話で、日本製は売っていないとの事だった。
また、去年のことだがベトナムのハノイでついつい携帯電話を忘れたので買い捨てのつもりで緊急に街角のモバイルショップに入って携帯電話を物色した。韓国製(サムスンとLG電子)が約2000円で売られていた。
ちなみにSIMカードとプリペイドカード込の値段である。カードさえ替えれば世界中で使える優れもので今でも重宝している。
そのショップでは日本のシャープも売られていたが400万ドン(約200ドル)もするので、残念ながら私自身も日本製品は敬遠してサムスンを買ってしまった。
韓国が2000円で、シャープのミドルクラスの携帯電話が1万6000円である。日本品は使いにくい機能が満載だが、韓国品は実用的で使い勝手も良いからどこに行っても売れて当然である。
この現象は新しくて良いものさえ作れば必ず売れるという、日本メーカーの上から目線の古い感覚と、金融危機で破綻を経験した韓国が危機感を強めて政治と経済が一貫して海外に目を向けた発想と営業姿勢の違いではないのか?これはまさに両国の危機感とハングリー精神の相違が顕在化しているという見方は出来ないのだろうか?
技術が盗まれる熾烈な戦い
エレクトロニクスの世界は日進月歩の技術革新の世界であるが、日本の基礎技術や素材技術では韓国よりも10年から20年は日本が先を行っていると思う。
従って、サウジアラビア向けに原発プラントを韓国グループが落札しても日立製作所や東芝からすると、技術は全て日本の技術だから韓国グループを下請けに使っているような感覚である。
ところがエレクトロニクス分野の部品技術やデバイス技術になると、日本の優位性は徐々に後退する。組み立ての部分が多いシステム機材(TV、パソコン、携帯電話など)になると、ほとんど日韓の技術差は少なくなり日本製品の優位性は減衰されるのである。
長年の技術の蓄積が簡単に韓国にリークされている事実は看過しがたいが、日本の一流技術者が大量に韓国に流れている事は止めようがない。これは昔、日本がアメリカの半導体の技術を学びコピーさせてもらったことと同じだから、仕方のないことだ。
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