東大とハーバードの大きな差 日米のトップ大学はどこが違うのか?

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そして、教育課程の観点から言うと、東大は入学する段階で、文科系なら文科一類、文科二類、文科三類、理科系なら理科一類、理科二類、理科三類の学部に分かれる。専攻する学問分野がその後の進振りによって多少は変わるものの、基本的には入学した科類にのっとった教育課程がある。

東大に限らず、日本の大学は文系なら文系、理系なら理系で、入学した時点でだいたいその学部の領域の範囲で教育課程が決められている。

それに対し、海外の大学(主に米国)は、まず大学全体で生徒を一括募集する。文学部で何名、工学部で何名といった募集の仕方はしない。

入学した生徒にリベラルアーツ(教養)教育をして、物事を論理的に考える力や批判的に見る力、表現する力など、ベースとなる幅広い力を育成する。生徒は1~2年次に自分の興味や関心に合わせて、文科系、理科系を問わず、いろいろな学問を学ぶことができる。そのうえで3年次に専攻を自由に選べる。

アートとの距離が近い

日本ではアート的な学問を東大ではなかなか学べない。だから、どうしても芸大や音大という選択になるが、海外ではハーバードやイェールでアート的な学問を学ぶことができる。

こうしたダイバーシティとリベラルアーツ教育が、日本の大学と海外の大学の最も顕著な違いである。

日本人ばかりで、興味や関心も同じ方向性の生徒が集まり、地元、親元から通って、均質な人脈しか築けない日本の大学。

国籍や興味・関心の多様な生徒が集まり、寮生活やホームステイを通して、多様な人脈が築ける海外の大学。

どちらを選ぶかで得られるものが大きく変わってくる。トップ大学になればなるほど、海外の大学には世界中から選ばれた優秀な生徒がやってきているので、日本の大学との差が広がる。

生徒だけでなく、教員も同様だ。世界中から引き抜かれた飛びきり優秀な教授陣が海外の大学にはそろっている。たとえばノーベル賞受賞者は、日本人全体でこれまで19人だが、米国はシカゴ大学だけで87人受賞している。こうした差も大きい。

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