資料作成がうまい人は「手書き8割」だった いきなりパワポを開くのは愚の骨頂

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何でもゼロから自分で考えると時間がかかりますし、自分のアイデアだけでいい資料が作れるとも限りません。人の資料をうまく「パクる」ことで、いい資料を短時間で作成でき、自分が作成できる資料のバリエーションも増えていきます。

また、いくら真似するといっても自分なりのアレンジをするためには、資料の「構造」を分析して、それを応用する必要が出てきます。こうした「真似」→「分析」→「応用」の作業を何度も繰り返すうちに、資料作成が速くなるのです。自然にスキルアップができ、最初は「真似」だったものが、実力に変わります。

パクる価値のある資料と出合うには、ちょっとした心掛けも必要です。いい資料がたくさん集まる場所、それはずばり、プリンタです。私はパワーポイント資料の勉強中、プリンタから出てくる資料をちらちら覗き見して、いいものがあると盗んでいました。

顔見知りではない場合、社内のほかの部署の人に「資料を見せてください」と頼むのは、ちょっと気が引けますよね。あなたが新人なら、なおさらでしょう。そんなときは、プリンタという宝箱を開けてみましょう。

誰もが無防備に、資料を印刷して、学ぶ材料を提供してくれています。もし席替えなどで希望が通るなら、プリンタの近くの席を希望しましょう。それが無理な場合でも、自分が印刷したら、その資料を取りながらプリンタに溜まっているほかの人の資料を見るクセをつけましょう。社内やプロジェクトの情報を知ることもできます。

「お決まりパターン」でスピードアップ!

人の資料をパクるだけでなく、自分の得意な資料のフレームワークも持っておきましょう。「自分のお決まりのパターン」があれば、そのパターンを使った資料作成は格段に速くできます。

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「お決まりパターン」の例

たとえば議事録であれば、その構成と書くべき項目を決めて、資料全体を「定型」で作成しておきます。また、どんな資料でも使える「部品」を作っておくと便利です。私は左図のような、「課題を整理する」部品をよく使っています。

横に論理展開する枠組みと、縦に論理展開する枠組みです。この枠だけを部品として流用して、中身の文章を変えて使いまわしています。あいつはこのパターンが多いよね、と思われるくらい使い込んだ自分のパターンを持っておくといいでしょう。

 

 

木部 智之 デロイトトーマツコンサルティング合同会社ディレクター

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きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年日本IBM入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、2020年最年少でパナソニックシステムソリューションズジャパン執行役員に就任。パナソニックコネクトカンパニー役員を経て、2022年9月より現職。人材育成にも力を注ぎ、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを実施。主な著書に『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(KADOKAWA)、『入社1年目のビジネススキル大全 』(三笠書房)など。

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