資料作成がうまい人は「手書き8割」だった いきなりパワポを開くのは愚の骨頂
具体的には、私は資料を作成するステップを3つに分けています。
【ステップ②】紙で構想・構造化する(手書き)
【ステップ③】資料を作る(パソコン)
プレゼン資料や提案書をパワーポイントで20ページ作るとしたら、20枚のコピー用紙に手書きで先にメッセージのタイトルを書き、ストーリー展開を考えます。
次にチャート1枚1枚に入れるメッセージ、1枚のチャートの中の図・表・コメントの配置などを詳細に書きます。ここでのポイントは、必ず「原寸」で作成することです。使用するのはA4のコピー用紙で十分です。
そして構想が固まったら、その紙を見ながらパワーポイントで資料を作成していきます。ここまでくると、後は考えることはないので完全な「単純作業」となります。最後に細かい文章の表現や図の調整はしますが、頭を使う必要はほぼゼロです。
また、上司などに資料のレビューをしてもらうときも、できるだけ紙の段階でレビューをしてもらうとよいでしょう。パソコンで完璧に作成した資料でレビューを受けると、そもそものストーリー展開や資料構成に修正が入った場合に、ゼロからやり直さなければなりません。さらに余計に時間がかかってしまいます。
パクりたい資料はパソコンの「蔵」に保存
学生時代、カンニングはNGでしたが、ビジネススキルを学ぶうえでは、人のものを「見て真似る」ことはまったく問題ありません。むしろ推奨すべきことです。人の資料でいいものを見たら、その瞬間にパクりましょう。私が見てきた若手メンバーでも、自己流を通すメンバーは成長が遅く、貪欲に盗むメンバーは成長が速かったです。
パクると言うと言葉のイメージが悪いですが、資料の構成や図、表、グラフなどは、その「構造」をひたすら真似しているうちに、すぐに一定レベルに達するようになります。その後に、自分なりのカスタマイズをしていけばいいのです。
ただ、「いい資料だなあ」と感動したとしても見ただけではすぐに忘れてしまい、後から再現するのが難しくなります。だから私はいい資料を見つけたそのときに、パソコンに保管しておくようにしています。いつ使うかわからなくても、フォルダを作ってその中にぽんぽん放り込んでおきましょう。そうして自分なりの「蔵」を作っておくのです。
新しいパターンの資料を作ろうとして、どのような構成にするのかを考えるようなときは、その蔵をひっくり返して使えそうなものを探します。
私の場合、「提案書」は年に数回くらいしか作らないため、慣れている仕事とは言えません。そういうときは蔵からいくつかの「いい提案書」を引っ張り出してきます。ストーリー展開、図表の使い方、数字のまとめ方だけでなく、言い回しや細かい表現までも参考にします。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら