41. 一方、同じアゲハチョウでも、春や夏に比べ日照時間が短い秋に育った幼虫は〈休眠する〉サナギになる
42. 昆虫類は主食となる「食物」の違いからも4つの群に分類されている
43. 「動物食性」とは生きた動物を食べるもので、人間の血を吸うカやノミ、虫を食べるカマキリ、トンボ類など
44. ほかの虫に寄生する「寄生バエ」や「寄生バチ」などもこの動物食性に含まれる
45. 葉を食べるチョウ・ガ類、木材を食べるカミキリムシ類、果汁を吸うカメムシ類は「植物食性」と呼ばれる
46. 動植物の死体や腐敗物、排泄物を好むのが「腐食性」である。コガネムシはフンを食べ、ハエは腐植を食す
47. しかし腐食性の昆虫たちは、自然界では「分解者」として非常に重要な役割を担っているのである
48. 動物、植物、腐食性から2分野以上食す昆虫は「雑食性」と呼ばれゴキブリやアリなどはここに分類される
49. 食物に応じて口の形も異なり、バッタやコウチュウ、ハチは食物を噛み砕くペンチ状の咀嚼口になっている
50. 果汁を好むカメムシやチョウ、ハエ類などは食物を吸い取るためのストロー状の吸汁口を持っている
51. 昆虫類の一生(一世代)は、卵から成虫まで成長し、次代の卵を産むまでである
52. これを一年の間で終えるものと、2回以上繰り返すものとは昆虫の種類によってさまざまに異なる
53. どんな場所でも年1回しか発生しないカマキリ類のように、遺伝子的に回数が決まっているものもある
54. しかし年間の気温差などの影響で、同種であっても年間の世代数が変わるのが一般的である
産卵数が多くてもその種が増えるわけではない
55. 昆虫類は陸上動物としては産卵数が多く、ミツバチやシロアリは一匹の女王が10万~数億の卵を産む
56. だがこれは特異な例で、昆虫の産卵数は10個~1万個の範囲といわれている
57. しかし産卵数が多くてもその種が増えるわけではなく、多くの卵を産む昆虫は成育過程で死ぬ個体も多い
58. 天敵などの影響もあるがこれらは生みっぱなしの種でもあり、親が卵や幼虫を保護する種は産卵数が少ない
59. 長い進化の歴史のなかで生き残れる数を見込んで卵や子どもの数を決定してきたのである
60. 昆虫は体の大きさもさまざまだが、現在記録されている世界最小の昆虫のサイズは「0.14㎜」である
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