「ノマド=カフェで仕事」ではありません
遊びと仕事の境目がなくなれば、どちらも手にできる
繰り返しがうまくいかなくなっている以上、かつてなかったやり方を探し求めることとなり、そこで浮かび上がってきた選択肢の1つがノマドというわけです。
内的要因は、人の動機を指し、「自由に自分らしく働きたい」というものもありますが、なかにはかなり後ろ向きのものもあります。具体的に言うと「会社でコツコツ働きたくない。たっぷり休んでのんきに好きなことをしたいから、ノマドになりたい」という現実逃避派です。
ここには「会社がイヤだから辞めたい」という人も含まれます。こうした内的要因からノマドに憧れる人がいるゆえに、「ノマドなんて、気楽に働きたいという一過性のブームだろう」という批判が起こるのでしょう。あまりに安易で、現実離れしているのではないかと思います。
結論から言うと、こういう考え方の人たちは、決してノマドライフを送ることはできません。むしろ絶対にノマドに向かない人といえます。後ろ向きの内的要因でノマドをめざす人は、たちまち淘汰されかねない現実の厳しさを知っておくべきでしょう。
ゴールドカラー・ワーカーとノマドの関係
ビジネスコンサルタントであり、カーネギーメロン大学のビジネススクールで教鞭を執るロバート・E・ケリーが1985年に出版したThe Gold-Collar Worker(邦訳は『ゴールドカラー─ビジネスを動かす新人類たち』リクルート出版部、絶版)という本があります。
ケリーがいうゴールドカラー・ワーカーとはホワイトカラーを超える存在です。ゴールドカラー・ワーカーはクリエーティブで、自由さと柔軟性を備えた人材。だからこそ、自分で仕事をつくり出す能力があります。自己管理能力が高いゆえに、人から管理されて仕事をする必要がない。それゆえ、自分で勤務時間を決めることもできます。
当然ながら能力が高く、経済的にも心理的にも企業からの独立を勝ち得ています。 個人的には「ゴールド」という色分けが何とも1980年代風だと感じますが、時代を超えた分析はケリーの慧眼でしょう。
ノマドに向く人は、このゴールドカラー・ワーカーに似た人たちだと考えています。
自分の能力を自由に売る力がある人。会社に依存せずにいられる人。転職しても、独立しても、今の会社にとどまっても、高いパフォーマンスを上げられる人。
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