横浜より遠方でも、「旅RUN」になりにくいのが、茨城県の大会だ。ゼッケンは郵送で届くし、日帰りも可能。しかし、”面白み”に欠けている。フル約30回出場(自己ベスト3時間2分)のKさん(44歳男性)はつくばと古河はなももに出場しているが、「両レースとも都心からのアクセスが良くて、コースもフラットです。でも、レース後はご飯も食べずに、すぐ帰りました」と話す。
勝田全国は「都内から出発すると、指定席(特急電車)の取り合いになる。車道の開放が早いため、サブ4レベル以降の人は歩道を走ることになります。レース後に遊ぶ人も少ない」とHさん。筆者も最寄り駅が「土浦」のかすみがうらに出場したことがあるが、観光はしなかった。アクセスが良いのは、「RUN」としてマイナス要素なのかもしれない。ただし、タイムを狙う“本気ランナー”にはオススメといえるだろう。
同じ日帰りでも、富士山は旅の要素が強いようだ。「スタート時の気温が0度くらいで、河口湖から西湖への急坂がきつい」という一方で、「紅葉がきれいで、サービス券がつくので温泉も楽しめます」とKさん。新宿から直通バスが出ていて、帰りはゴールから河口湖駅まで歩いていける。都心からのアクセスは申し分ない。
近場でも1泊すると“楽しさ”がUP
フル17回出場(自己ベスト4時間22分)のSさん(45歳女性)は、栃木県で行われるはが路ふれあいに出場して「旅RUN」を満喫している。日帰り可能なエリアにかかわらず、宇都宮に前泊して、まずは餃子を堪能。宇都宮駅前から無料バスが出ているため、スタート地点までの移動もスムーズだ。参加料は6000円とリーズナブルで、街ぐるみのサポートも手厚いという。「激下りの坂もあり、タイムは出ない。でも、私設エイドが充実していて、温泉もある。トレーニングやファンランとして出場すると楽しめるかな」とSさんは話す。
エントリーを開始して数十分で定員に達してしまう長野も旅の要素はたっぷりある。「アルプスの雪景色が美しい。毎年テーマソングがあって、終盤には生演奏も聴ける」とSさん。遠方から参加する“常連”は、前日に受付を済ますと、善光寺を観光して、長野駅周辺に宿泊するパターンが多いという(なぜかレース後に善光寺へ寄る人は少ない)。ただし、ホテルを押さえるのは簡単ではなく、少し離れたエリアに宿泊すると、翌朝は始発で出発しないと間に合わないことも。エントリーを含めて、旅RUN初心者には少し厳しい大会かもしれない。
名古屋ウィメンズに3回出場したOさんは、「トイレの数が多く、ティッシュも配ってくれるし、参加者にやさしい大会。デビュー戦にはいい」と女性限定レースの素晴らしさを話す。観光はというと、「名古屋駅周辺だけで十分に名古屋グルメを堪能できるので、他は何もしていません」とのこと。たしかに、あとはナナちゃん人形の前で写真をとれば、SNSでの報告材料としては十分だ。
昨年11月に第1回大会が行われた金沢はゼッケン引き換え会場が金沢駅前で、スタートは金沢駅から徒歩約25分。Kさんは、「歴史的景観ゾーン、白山連峰を望む田園ゾーンなど6つのエリアがあり楽しめるコース。レース前後は金沢観光もできて、旅RUNにはオススメです」と話す。金沢は関西圏から近く、東京からも北陸新幹線の開通でアクセスがグンと良くなっただけに、今後は盛り上がりそうだ。
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