高校時代、将来の明確なビジョンを描いていた人はどれぐらいいただろうか。しかし、スポーツ関係で“夢”を実現するならば、高校が最後の「チャンス」になると思ったほうがいいだろう。そして、自分の選んだスポーツの“未来”について、理解しておくことも大切だ。
筆者は今度の誕生日で40歳になる。ザックリいって人生の折り返しだ。その半生のなかで、いくつか運命的なできごとがあったと感じている。そのひとつが高校の部活動だった。強い意志もなく陸上部に入部して、そこから人生は急展開していったからだ。
実は当初、高校では未経験のサッカーをやろうとしていた。理由はシンプルというか、おバカだった。当時はJリーグブームでサッカーがイケイケだったから。それでも、陸上部の顧問から熱心に誘われたこともあり、サッカーを3日であきらめて、陸上部に入部。大学で箱根駅伝を走り、卒業後はスポーツライターになった。もし、高校で陸上部に入っていなかったら、まったく違う人生を送っていただろう。
筆者だけでなく、高校時代の部活動選びがその後の人生に大きく影響しているという人は少なくない。そのスポーツが好きだからという理由で、高校の部活を選んでいる人が大半だが、同じ「努力」を重ねるなら、将来につながる部活を選んだ方が“得”になる。なかでもスポーツの世界で食べていきたい、スポーツを将来の仕事に役立てたいと考える場合、 高校時代の「部活」は“なんとなく”ではなく、戦略的に考えて選んだ方が絶対にいい。将来の分岐点になるかもしれないということを意識して。
では、何部を選ぶと人生にとって“得”となるのか。そのことを考えるまえに、まずは“現実”を知っておこう。大半の運動部を統括している高体連は毎年、加盟登録状況を発表しているので、そのデータを見ていただきたい。加盟数イコール競技人口ではないが、大体の傾向は見えるはずだ。
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