女子の登録者数は、バレーとバスケがワン・ツーを占めている。バレーは「春高バレー」があり、メディアの露出も多い。Vリーグの人気もあるし、日本代表の期待度も大きい。女子の“高校スポーツ”では一番華やかだろう。そういう意味では、挑戦する意義は高いと思う。
ただし、バレーやバスケは「高さ」がモノをいう競技。そう考えると、これだけ競技人口が多いのはちょっと不思議だ。 中学の延長で競技を続けている人が多いと推測できる。
もちろんスポーツはプロを目指すだけではなく、楽しむことが重要だが、バスケやバレーで活躍できるほどの運動神経がある人なら、他のスポーツを選ぶという選択肢も考えてみてほしいと筆者は思う。個人的におもしろいと思うのが、男子のラグビー(2万3146人/1051校)と女子のサッカー(1万472名/602校)だ。
男子のラグビーは、「甲子園」ほどではないが、「花園(全国高校ラグビー)」の注目度も高い。それでいて、ラグビーの登録校は野球の約4分の1で、競技人口は7分の1ほどだ。しかも、高校から競技を開始しても、日本代表クラスになれるチャンスは十分にある。それだけではない、場合によっては競技以外のメリットも存在するからだ。
カレッジスポーツは野球、駅伝、ラグビーの3つが花形。選手として活躍できれば、偏差値的には高くない高校からでも、早稲田大、明治大などブランド力のある大学にスポーツ推薦で進学できる。また、特定の学校から毎年学生を採用する総合商社も中にはあるなど、名門ラグビー部には、有名企業に入る“特別枠”もあり、就活でも大きな武器になるのだ。
男子の駅伝もラグビーと同じことがいえる。高校から本格的に競技を始めても、強豪大学にスポーツ推薦で入ることは十分可能。大学でそこそこ活躍できれば、選手として実業団(大半は大手企業)に入社することができるし、ブランド校で箱根駅伝を走れば、就活にも相当有利に働く。ただ、同じ陸上部でも長距離以外は、インカレ優勝レベルの選手でも大学卒業後の進路に恵まれておらず、大学院に進学して競技を続けるという選手も少なくない。
女子サッカーの場合は、バレーやバスケほどライバル(競技人口は6分の1ほど)が多くないうえに、世界で戦うことを考えると、両種目よりも可能性がある。しかも、高校から競技を始めても、まだ間に合う状況だ。身長が足りない人は、思い切って“転向”するのもおもしろいかもしれない。
トップを狙いにくい部活
男女とも登録者数ではバドミントンとテニスが6位以内に入っている。中学では両種目を実施している学校は非常に少ないこともあり、高校で新たなスポーツをやってみよう、と入部した生徒が、バドミントンとテニスに多いと推測できる。(注:平成27年度の中体連の調査では男子バドミントンの加盟率は25.5%。また、中学の部活では硬式よりソフトテニスが主流となっている)
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