猪子さん、マッキンゼーは嫌いですか?(上)

すべてのビジネスはアートになる!

田中:ECサイトもいろいろ手掛けられているようですが、ECのほうから具体的に「こういう機能を作ってくれ」と言われる、いわゆるシステム会社っぽいのか、もっと漠とした感じで「こんな問題を解決したいんだけど、猪子さん、何とかしてよ」みたいな感じなのか……。どういうふうに事業が回っているのかなあ?と。

猪子寿之(いのこ・としゆき)
チームラボ社長
1977年、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、プログラマエンジニア、数学者、建築家、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、絵師、編集者など、情報化社会のさまざまなものづくりのスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。 主な実績として、産経デジタルのニュース・ブログポータルサイト「iza」。『百年海図巻』と『チームラボハンガー』が文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品(11)に選出。テクノロジー・アート・デザインの境界線をあいまいにしながら、Webからインスタレーション、ビデオアート、ロボットなど、メディアを超えて活動中。
facebook: twitter: @teamlab_news

たとえば、われわれは客になりえますか? 靴のECは。

猪子:お客さんになってくださいよ。

田中:その場合、どういうふうにお願いすればいいんですか?

猪子:まず仕事をしたそうにする。

田中:はい?!

猪子:仕事をしたそうにする。お客様が(笑)。

田中:ぼくがですか?

猪子:うん。そしたら考える(笑)。

田中:じゃあ、「猪子さんとぜひお仕事をさせてほしい」と申し上げて。

猪子:そうですね。で、ご提案する(笑)。ちゃんと言うと、問い合わせメールが来たり、誰かに紹介されたりして、呼ばれて、相談されて、ご提案する感じです。

田中:「私がチームラボのお客さんになれたら、こんなふうにしたい」と要望をお伝えするのか、それともお客さんの要望は一切聞かずに?

猪子:いや、聞くときもあれば聞かないときもあれば……。お客さんの側に明確にあるときは聞きます。たとえば「ECの売り上げを上げたい」っていうんだったら、そういうご提案をする。

コビト、見に行きたくない?

田中:もっと漠としていて「チームラボさんにやってほしいんだけど、よくわかんないからとりあえずお願いします」みたいなこともあるんですか?

猪子:そういうのもあります。なんか漠然と呼ばれるときも。

田中:で、ご提案をして、モノを作って、という感じなんですか?

猪子:そうですね……。まあでも、そんなこと言われたら、どうやって会社が回ってるか、オレもわかんなくなってきました。

田中:あはははは。一方で、美術展などに作品を出展されて、かなり時間をかけられているようですが。

猪子:はい。

田中:あれはおカネをもらってやっているわけではなく?

猪子:もともとはもらってやってたんです。もらってソリューションとしてアートをやってます。

田中:ソリューションとして?

猪子:たとえば、もし靴のECをやっていなかったとして、「いちばん好きな靴のブランドの新作を発表する」って言われたら、見に行きます?

田中:うーん……行かないですね。

猪子:見に行かないでしょ? でもコビト、見に行きたくないですか?

田中:えっ?! 小人、ですか?

猪子:行きたくないか(笑)。

田中:ああ、行きたいです! さっきチラッと作品を別室で見せてもらいました。

注)ここで小人とは、チームラボの作品「秩序がなくともピースは成り立つ」のことを指している。スマートフォンを100台以上使ったインタラクティブなアニメーションのジオラマ。1台のスマートフォンが1つのキャラクターとなり、知覚(カメラ、マイク)、知能(コンピュータ、ソフトウエア)、表現(ディスプレー)、コミュニケーション(通信)を持ち、互いに連携を取りながら、外部(人の動き)に対して反応する。国立台湾美術館に出展された。

猪子:いや、マジな話、見に行きたくないか。

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