「北朝鮮労働党大会」、5つのポイント 36年ぶりの党大会で決まることとは?
故・金日成主席は1980年10月の第6回大会で、1国2制度を骨子とする「高麗民主連邦共和国」を南北朝鮮の統一方法として提案した。そのため、今回の党大会でも金第1書記が韓国に向けて、また米国に向けて統一方法や対話を提案するといった「平和攻勢」を実施する可能性があるという見方も出てきている。韓国・北韓大学大学院の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「北朝鮮が新たな統一方案を提案し、平和攻勢を広げる可能性はある」と述べ、党大会での動きを注目している。
「金正恩朝鮮」「金正恩強盛大国」
以下、今回の党大会で注目すべきポイントを5つに分けて並べてみる。まず「偶像化」からだ。
韓国・統一省は5月5日、今年2月に北朝鮮の朝鮮中央テレビが放映した記録映画「光明星4号発射に成功」での最後のシーンに金日成・金正日の太陽像(銅像)とよく似た金第1書記の太陽像が初めて登場したという。
統一省当局者は「党大会以降には、きちんと整えられた金第1書記の太陽像が登場するものと思われる」と述べ、党大会を契機に金第1書記に対する偶像化作業が本格化するものと見ている。
今年1月に行われた4回目の核実験以降、「労働新聞」に「金正恩朝鮮」「金正恩強盛大国」といった新語が登場するなど、偶像化を示唆する単語がよく登場していることも、同じ脈絡だと思われる。
今回の党大会を契機に、本格的な金正恩時代の到来を宣言したうえで、大幅な世代交代が行われそうだ。最高人民会議常任委員会の金永南委員長と朴奉珠(パク・ポンジュ)内閣総理、労働党宣伝扇動部の金己男(キム・ギナム)部長など80歳代を超えた高齢者らが一線から退き、その職責を新たな人物が務める可能性がある。
このような人事の過程で、金第1書記の妹で宣伝扇動部の金与正副部長が昇進する可能性も高まる。金第1書記の年齢に合う、青年・中年層中心の世代交代が進む可能性も指摘されている。
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